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    インタビュー/いったん取り下げて出直せ/「うさんくさい」共謀罪法案/菅井義夫・退職者連合事務局長

     テロ対策が必要という点はその通りだろう。それならば、テロ防止対策をしっかりやればいいのであって、共謀罪はいらない。誰が、何の目的でこれをつくろうとしているのか。警察権力の強化のためという指摘もあり、実にうさんくさい。こんな法案はいったん取り下げて出直せと言いたい。

     

    ●捜査権の乱用を懸念

     

     憲法19条に定める内心の自由(思想・良心の自由)を侵害する恐れも言われている。そういう懸念が出てくるもの当然だろう。

     政府は東京五輪・パラリンピックのためと説明しているが、うそだということははっきりしている。先日も、国連のプライバシー権に関する特別報告者が法案について「プライバシーや表現の自由を侵害する可能性」に言及していた。政府は否定していたが、政府の言い分に説得力がないのは誰が見ても分かる。

     法律はいったんできてしまえば、それを執行する者のさじ加減でいくらでも伸縮することを、われわれは多くの経験で知っている。対象をしっかりと限定しなければ、最初は慎重にやるかもしれないが、やがて特定秘密保護法などと結びついて捜査権を乱用し、盗聴や不当な職務尋問、尾行など、憲法が保障する思想・信条や表現の自由、基本的人権を侵害してくることは目に見えている。

     「一般人には関係ない」といっても、今のような閉塞感のある時代、政府・与党が数の力でなんでも通してしまえる時代に、良識ある市民は感情の発露に従って声を上げるだろう。官邸にデモが押し寄せることだってあるかもしれない。そういう市民の声が計画段階で抑えられたり、罰せられたりすることにならないか。私はとても心配している。

     連合や退職者連合が対象になるかどうかは分からない。ただ、判断するのは向こう(捜査機関)の方だ。労働組合などが対象にされる懸念は拭えない。