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    脱法的な選別・雇い止めに反対/改正労契法の無期転換ルール/東北大教職組などが集会

     トータルの勤続が5年を過ぎる有期雇用の非正規労働者に、無期雇用化の権利を保障した改正労働契約法。東北大学が独自の「限定正職員」制度をつくり、来年3月末に満5年に達し、本来であれば無期転換の権利を得るはずの労働者に対し、脱法的に選別・雇い止めしようとしていることに批判の声が広がっている。11月28日には東北大教職組や宮城県労連、弁護士などで構成する「ストップ雇い止め!ネットワークみやぎ」が仙台市で抗議集会を開いた。

     

    ●「限定正職員制度」

     

     東北大は2014年の就業規則改定で、有期契約の准職員や時間給職員の契約期間を3年から5年に変更。改正労契法が施行された13年4月にさかのぼり適用した。満5年に達する非正規労働者のうち、無期転換を希望する者を対象に試験を実施し、合格者だけを無期契約にするのが「限定正職員」制度だ。

     今年8月以降に試験が行われた。受験には、契約終了を認めた上で教授の推薦や面談などが必要。しかし、受験申請しても「枠が無い」と拒まれる非正規職員も多かった。東北大教職組は「有期契約労働者の更新期待権を略奪し、5年雇い止めとセットにした採用制度だ」と批判し、撤回を求めている。

     

    ●半数以上が雇い止めに

     

     集会当日に発表された限定正職員の試験結果について、同教職組の片山知史委員長は「1140人が受験申請したが、受験できたのは800人。うち合格者は669人だった。このほか、『枠がない』『推薦できない』と言われ、申請さえできなかった人も多い。希望者の半数以上は既に雇い止めを宣告されたに等しい」と述べた。合格者の内訳では、研究室系の目的限定職員、看護職や秘書が多い業務限定職員は全員合格したものの、事務職が対象の一般業務限定職員では、受験者214人のうち、83人にとどまった。

     こうした結果を受けて片山委員長は「改正労契法の5年ルールをすり抜けるものだ」として、限定正職員制度に反対する取り組みに支援を強く求めた。

     集会で講演した北海学園大学の川村雅則教授はこう強調した。

     「スキー場など季節的な仕事やプロジェクト事業であれば、有期雇用にも合理性があるが、期限の無い通常の仕事に有期で人を雇うところに根本的な問題がある。来年3月末に大量解雇を許してしまうのか、それとも脱法行為を絶対に許さない社会を築いていくのか。それは今後4カ月間の運動次第だ」

     (川島左右喜)