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    「三大闘争」がほぼ終結/東京管理職ユニオン/アストラゼネカで組織拡大へ

     東京管理職ユニオン(全国ユニオン)が重点課題に設定していた、争議の「三大闘争」がほぼ決着した。そのうち、製薬大手のアストラゼネカでは同ユニオンと支部を正式な交渉団体として認める労働協約を締結。鈴木剛委員長は「組合活動家の命をかけて過半数組合をつくる」と、決意を語っている。

     三大闘争は(1)パワハラや不当労働行為を繰り返していたスガノ農機(2)理不尽な退職勧奨とパワハラが続いたベストセラーズ社(3)懲戒解雇や減給、追い出し部屋への配転などが横行していたアストラゼネカ――の各争議だ。

     ユニオンは昨年の大会で「三大闘争」を重点とする方針を決定し、解決に向けて取り組みを進めた。

     スガノ農機では今年4月、新社長と労働協約を結び、事業が正常化された。従業員の大半(150人)が加入する組合と労使関係をつくることができた。

     ベストセラーズ社では、旧経営陣が経営を放棄したため、組合が会社を買い取るEBO(従業員買収)によって自主運営する方向を模索。今夏には手続きが完了するという。

     両争議では、東京管理職ユニオンの執行委員を兼ねていた支部役員が、新たに経営側・管理職に就任するため、組合員資格がなくなる。東京管理職ユニオン執行委員も退任することになったため、新たな執行委員を選出する目的で6月2日に臨時大会を開催。併せて、千人のユニオンを目指す意思統一を行った。

     

    ●過半数組合めざす

     

     組織拡大の当面の対象はアストラゼネカだ。同支部の組合員は60人。全国には約3千人の従業員がおり、今後、新たな労働協約をてこに組合加入を呼びかける。6月23日の支部大会で方針を確認する予定だ。