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    年休の月1回取得を促進/全医労がキャンペーン/夏季休暇の振り替え行わず

     国立病院機構などの労働者でつくる全医労が4月から、最低月1回は年休(年次有給休暇)を取ろうというキャンペーンを始めた。2月に休暇をめぐる労使交渉が決着。夏季休暇をなくして、夏休みは年休で取らせようという機構の提案を阻止した。取得に関わるルールの改善も踏まえ、年休消化を促進する考えだ。

     

    ●夏季休暇を拡充

     

     香月直之書記長によると、休暇に関する交渉のきっかけは、3年間に職員2人が過労死したことだった。休暇が取れず、残業が多い状態を改善することについては機構側も必要性を認めていた。

     ところが昨年11月、組合に提示された機構の案は(1)公務員時代からある病気休暇は短期なら年休を使う(2)夏季休暇(3日間)を廃止して年休に振り替える――という内容。改正労働基準法で使用者に年5日の年休取得が義務付けられたことへの対応策だけだった。これらは、厚生労働省が「改正法の趣旨に沿わない」と指摘している。

     組合は、いずれの提案にも問題が多いとして拒否。その後も交渉を続け、今年2月に合意した。病気休暇を年休に当てる提案は取り下げられた。夏季休暇については廃止した上で、年間を通じて取得できる年休(リフレッシュ休暇、3日間)を新設した。法律上の年休とは別枠だ。

     これまでは無給の夏季休暇(2日間)しかなかった非常勤職員には、有給で連続2日間のリフレッシュ休暇を保障した。

     

    ●「希望日は尊重する」

     

     交渉では年休取得の促進策についても話し合った。

     組合員(看護師)の取得率は年間平均7・8日で、決して高くはない。人員不足が根本的な原因だが、他にも問題があるという。

     看護師らが正式に年休を申請できるのは、翌月の勤務表が決まってから。香月書記長は「例えば、休みたい日に夜勤が入っていたりすると、代わりの人を手当てしなくてはならず、いったん決めた勤務表の大幅な組み換えが必要になる。実際には難しい」。

     そのため、勤務表作成の1カ月前には「申請」ではなく〃希望〃日を伝えることになっている。看護師長はそれを踏まえて勤務表を作るが、結果として希望した日が「年休」ではなく、週休(1週1日の法定休日)や代休に変えられることも珍しくない。希望日が正式な申請として扱われないからだ。「労働者にしてみれば、とりあえず休めるなら年休でも週休でもいいやとなりがち。でも不満は残る」(香月書記長)

     こうした問題について交渉では、希望日を尊重して努力し、変更が必要な場合は労働者に丁寧に説明することとした。希望日を一方的に週休などに振り替えることはしないとの約束を取りつけた。

     

    ●法順守には人員増を

     

     キャンペーンでは「笑顔で働き続けられる」職場づくりをスローガンに掲げた。具体的には(1)全支部が年休取得を求める要求書を提出(2)安全衛生委員会などで取れているかを毎月点検(3)6月を取得促進月間に設定(4)ポスターやビラなどで宣伝・周知――を計画している。

     香月書記長は「交渉が決着しても、年休が取りにくいという声はあるだろう。取得促進に努力しつつ、やっぱり看護師を増やす必要があると訴えていきたい。医療の質の確保だけでなく、改正法の内容や、年休取得率7割の政府目標を達成するためにも、人員増が不可欠だと強調したい」と語っている。