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    疲弊する職場の実態訴え/全労連公務部会がフォーラム

     全労連公務部会と公務労組連絡会、近畿公務共闘は6月16日、「市民の生活と公務労働を考えるフォーラム」を大阪市内で開き、市民の安全な暮らしに不可欠な公共サービスが危機的な状況にあると訴えた。定員削減によって長時間過重労働がまん延する中、業務委託や非正規化が進み、職場は「崩壊寸前」だという。

     

    ●労働強化が危険を招く/国土交通労組

     

     自然災害が発生した際、道路や港などの維持・復旧業務を担っているのが国土交通省だ。通行規制時には暴風雨の中、職員が12時間連続で道路に立ち続けることもまれではない。省全体の定員は純増だが、海上保安庁の大幅増員を除けば、他の機関は削減されている。大阪国道事務所では委託労働者が52%を占め、正規職員は3分の1程度で、若手職員の離職も目立つ。国土交通労組近畿地方協議会の西本健二議長は「(在職死亡では)がんの次に自殺者が多い。サービス残業のためか、ほとんどが公務災害に認定されていない」と指摘し、長時間労働によるうつ病発症への具体的な措置を求めた。

     公務員にも4月から残業時間の上限規制が始まったが、大規模災害の対処や緊急を要する業務は特例として、規制対象から外されている。「施設管理を担当すれば、全て特例に当てはまる。(残業で)特例以外の業務を4月以降やったことがない。なんでもありの状態だ」と述べ、上限規制の効果がないと訴えた。

     同労組関西気象支部の蓬台正信委員長は、定員削減で空港などの観測拠点の廃止や民間委託化が進んだと指摘。今後は各府県にある地方気象台がターゲットになるとし、「気象台を集約して人を減らせば、労働強化になる。警報や防災情報が遅れ、予測の精度が落ちる」と懸念を示した。

     

    ●非正規職員を守る/全厚生労組

     

     日本年金機構では、窓口業務の実態を知らないまま、管理職になった民間採用者が少なくない。全厚生近畿社会保険支部の藤江成夫書記長は、〃マネジメント優先〃に疑問を投げかけた。「国民の権利保障が軽視されている。(人事評価で)収納率向上や未加入の中小企業の保険適用件数を重視するあまり、給付漏れ対策などの仕事がおろそかになっている」と批判した。

     年金相談に予約制が導入され、予約なしだと3時間も待たせることがあるという。「必要な時に相談を受けるという行政窓口の基本を忘れている」と断じた。その上で、窓口や電話対応を担当している非正規職員の待遇改善が大きな課題だとし、「今年は非正規にも賞与が支給され、組合加入も続いている。同じ仲間として非正規職員を守っていきたい」と語った。

     

    ●委託方針の撤回を/京都市職労

     

     京都市は昨年12月、介護保険認定給付業務を担う嘱託員130人全員の雇い止めと民間委託の方針を明らかにした。京都市職労は、方針撤回と嘱託員(非常勤職員)の雇用継続を求めている。

     永戸有子副執行委員長は「介護度の判定結果によってヘルパーなどのサービス内容が決まる。役所の他の部署と連携した対応も市の職員だからこそできる。必要な時に必要な介護を受けられなくなる可能性が高い」と述べ、民間への丸投げを問題視した。

     京都市は正規職員を減らし、非正規の嘱託員を徐々に増やしてきた。現在では業務の8割以上に及ぶ。組合は署名に取り組み、1万1千筆を集めて提出した。「嘱託員がいなければ業務は止まる。低賃金で働かせ、今度は雇い止めにするとは、あまりにも冷たい仕打ちだ。専門知識もあり、誇りを持って働いている嘱託員は大切な財産。どうして簡単に切り捨てるのか」と怒りをあらわにした。

     

    〈写真〉職場の実態を訴える全厚生近畿社会保険支部の藤江書記長(6月16日、大阪市内)