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    コロナ影響調査後に改定検討/労政審での派遣法審議/日雇い派遣は例外拡大へ

     2012年と15年の労働者派遣法改正の検証を行ってきた労働政策審議会の部会が7月14日、中間整理をまとめた(表)。新型コロナウイルス感染拡大による影響を調査した後に、制度改定の検討に着手するという。焦点の一つ、日雇い派遣については現行制度維持としつつ、年収要件を含むあり方を検討するとした。直近では省令や指針、告示などの改正を行う。

     検証作業は、15年改定の3年後をめどに行うとの規定を踏まえた。

     政府の規制改革会議が昨年の答申で、副業として例外が認められている日雇い派遣の年収要件(500万円以上)について早急な見直しを求めていた。「低所得の若い世代に閉ざされている」というのが理由だ。

      中間整理は「原則禁止は引き続き維持する」とし、派遣元に厳正な監督指導を行うとした。焦点の年収要件については、現行制度を維持することが適当としつつ、副業拡大の観点から例外のあり方について検討するとした。

      今年の規制改革会議答申は、原則禁止となっている看護師の日雇い派遣も検討課題に盛り込んだ。これを踏まえ、中間整理は例外業務について「個別に検討を進める」としている。

      日雇い派遣は、低賃金のうえ中間搾取や労災の多発など、不安定雇用による著しい弊害が明らかとなり、派遣法規制強化の端緒となった。民主党政権で原則禁止とされたが、第2次安倍政権以降、規制緩和を求める経済界、業界からの突き上げが強まっている。

     

    ●規制改革会議と「同歩調」

     

     検証作業は昨秋以降、12年、15年改定と制度の根幹について広く行われた。今年に入り、新型コロナの感染が拡大。派遣労働者が職を失う事態が多発し、その影響の調査を優先せざるを得なくなった。

     関連グループ企業への派遣(専ら派遣)規制や、違法派遣の際に派遣先に雇用責任を負わせる「労働契約申し込みみなし制度」、事前面接の禁止は、現行制度を維持する。一方、個人ごとに上限3年とする派遣期間制限や、離職後1年以内の派遣禁止、日雇い派遣の例外については見直しの「検討が適当」とした。

     厚生労働省の担当者によると、新型コロナの影響調査を行ったうえで、制度についての検討を始めるという。規制改革会議の答申と「歩調を合わせている」と述べながらも、新型コロナの収束が見通せない現状の下で、影響を見極めるのは難しいとも話す。

     中間整理は派遣先の団交応諾義務について、裁判例の蓄積の状況を見据えつつ「引き続き検討することが適当」とした。派遣労働者の雇用や処遇については、事実上の決定権を持つ派遣先との交渉が不可欠と指摘される。

     

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    コメント: 2
    • #1

      ふみや (火曜日, 18 8月 2020 16:07)

      本業の収入が500万以上ある人は副業しなくても生活できるでしょう。
      コロナの影響で減った本業の収入を補うために副業したい人にとってこの要件は妨げにしかならないので即刻廃止にして頂きたい。

    • #2

      しんり (月曜日, 24 1月 2022 05:41)

      正社員雇用を全ての人間が望んでいるという思い込みが最早昭和の考え方。
      複数の仕事を持つ事を望む人もいるのに、
      働き方(雇用形態)の押し付けは働き方改革の真逆の行為。
      そこに制限をかけるなら週5日フルタイムで働けない人も全ての人が正社員雇用を約束される仕組みでも作ってから制限するべき。
      即時撤廃するべきでしょう。