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    新自由主義からの転換目指す/連合などが将来ビジョン/ポストコロナの社会像提起

     連合と立憲民主党、国民民主党は8月27日、新型コロナウイルス感染拡大で明らかになった課題を見据え、命と暮らしを守ることを社会の基軸に据える、「日本の将来ビジョン・めざすべき社会像」をまとめた。自己責任ではなく「支え合い」の社会を目指す。「新自由主義が災いを招いた」(神津里季生会長)との認識がベースにある。

     社会像は(1)コロナで明らかになった社会の脆弱(ぜいじゃく)さを克服する(2)「命と暮らしを守ること」を全ての基軸に未来を切り開く(3)格差を廃した社会づくりを通じ新たな国民生活の活力に結び付ける――の三つの柱を掲げた。

     具体的には、医療・介護・公衆衛生体制の抜本的強化や、命と暮らしを守る生活保障の張り直し、公平・公正なワークルールのもとでの自由な社会参加、低所得層・中間層の底上げ、税や社会保障の再配分機能の強化と財政の確立を掲げた。

     資本主義経済のありようにも言及。「過度な自己責任論、競争万能主義、株主至上主義から脱却する」とし、従業員や消費者、取引先などステークホルダー(利害関係者)への利益の公正な分配、国内供給体制の確保を示した。気候変動や感染症のほか、巨大企業への富の集中、金融危機など地球規模の課題の解決も据えた。

     焦点のエネルギー政策は原子力の活用を含む表現となっている。

     政治姿勢では「左右の全体主義を排し」「中道の精神」を重視する政治行政を目指すなど、連合結成以来の理念も組み込んだ。

     6月から有識者との勉強会を開始。3回の意見交換を経てまとめた。立憲、国民両党の解党・新党合流論議の触媒として機能してきたが、新党構想は紆余(うよ)曲折を経ている。