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    住民20万人に1カ所設置を/自治労連が提言発表/コロナ対応できる保健所へ

     自治労連はこのほど、「『住民のいのちとくらしを守り切る』ための提言―保健所・公衆衛生版―」を発表した。新型コロナウイルス感染を止めるため、PCR検査の拡大と保健所の体制強化を求めている。1990年代から減らされてきた保健所については「当面住民20万人に1カ所の実現が早急に必要」とした。

     提言は、全国32保健所への実態調査を踏まえてまとめられた。4月時点で「人員が全く足りなかった」との回答は65%。そのため、他部署からの応援や派遣による支援が行われたが、都市部では150時間を超える残業が常態化。住民からの問い合わせや相談への対応がまともにできない状態が続いたという。

     自治労連によると、現時点では「一時ほどではない」ものの、2月以前の状態には戻っておらず、「落ち着いたとは、とてもいえない」。

     提言は、1994年に成立した地域保健法によって保健所と保健師が減り続けてきた経緯を振り返り「保健所はこの25年ほどで住民から遠い存在になり、住民の目から見えにくい感染症対応は優先順位が下げられてきた」と指摘。保健所が機能しなければ、住民の命が危険にさらされるとして、抜本的な対策が必要だと訴えている。

     

    ●予算は国の責任で

     

     今後に発生することが想定される新たな感染症に備えるためにも、今こそ体制拡充にかじを切るべきだという主張だ。

     具体的には、PCR検査の拡大と併せ、保健所の設置基準を「10万人に1カ所」とし、当面は20万人に1カ所を早急に実現するよう求めた。公衆衛生課程を修めた医師を保健所長にすることや、所長以外の医師確保、専門職員を含めた人員体制の拡充、公衆衛生行政を担う計画的な人員育成も要望している。

     体制強化に当たっては、外部委託や派遣に頼らず直営での実施が必要とし、必要な予算の確保は「地方交付税の増額など国が責任を持つべきだ」とした。