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    十分審議し、省令など整備を/労働者協同組合法案/全労連が事務局長談話

     働き手が自ら出資して働く「労働者協同組合」に法的根拠を与える法案が衆議院厚生労働委員会を通過したことを受け、全労連は11月20日、黒澤幸一事務局長名の談話を発表した。法の施行前に「国会と労働政策審議会で十分審議を尽くし、指導・監督が適正に行われるよう、省令・指針の整備を図る必要がある」と、悪用を許さない厳格な規制を求めている。

     労働者協同組合法案は超党派による議員立法。現行では法人格がなく、税制、融資、行政手続きなどの面で不都合を余儀なくされている。民主党政権時に法制化の機運が高まったが、当時の法案要綱は、労働三権の保障がなく、悪用の恐れが指摘され「お蔵入り」となっていた。

     今回の法案は、労働基準法や最低賃金法など、労働関連法が全面的に適用される。労働組合を結成する権利の保障も国会審議で明言されたという。協同組合運営の議決は、出資口数ではなく一人一人が平等に扱われることや、労働者派遣事業を行うことができないことも明記された。

     この点について談話は、労働者保護をめぐる懸念への解消を目指しているとして評価した。

     一方、懸念も示す。その内容は(1)「一人一人が経営者」など、労働者性を否定する表現を使った、求人や人事管理への規制が必要(2)配当条項で適正な賃金水準を確保できるか不明(3)保護を受けない「名ばかり管理職」多発の懸念(4)上部団体会費への上限規定がなく個々の事業を圧迫する恐れ――などだ。

     同様の事業をめぐっては悪用する事業者もあり裁判が起きている。談話は、国会と労政審で十分審議を尽くし、「監督が適正に行われるよう省令・指針の整備を図る必要がある」としている。