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    〈建設アスベスト被害救済を!〉「全面解決までがんばる」/全ての被害者救済願う原告

     国と建材メーカーの責任を認めた、初の最高裁判決を受け、原告団・弁護団と支援組織が会見を開き、「すべての被害者救済を求める」と語った。最初の提訴から13年、7割の被災原告が亡くなっている。

     4訴訟(神奈川1陣、東京1陣、京都1陣、大阪1陣)の原告代表の発言要旨を紹介する。

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    ●「一歩前進」と喜ぶ/神奈川1陣遺族原告 大園キヨさん

     

     私たちは地裁で全面敗訴、高裁判決でも十分な内容ではなかった。最高裁判決は「一歩前進」と喜んでいる。全面解決にもっていきたい。建材メーカーは原告に向き合って、謝ってほしい。(被害者救済の)補償基金制度にメーカーが出資するようがんばりたい。

     

    ●基金創設、最大の望み/東京1陣被災原告 宮島和男さん

     

     提訴してから13年。186人の被災原告が苦しみながら、最高裁判決を聞くことなく亡くなった。13年は長かった。私たちが願ってやまないのは、裁判を起こさなくても被害者が救済される「基金制度」創設。最大の望みだ。

     

    ●まだまだ道半ば/東京1陣遺族原告 大坂春子さん

     

     今朝、NHKテレビで私への取材が報道され、多くの人から「とうとう判決だね。良かったね」という電話をもらった。だけど私は「まだまだこれから。道半ば」という思い。夫や息子を(アスベストによる病気で)もっていかれた。心から喜べる状態ではない。(すべての被害者が救済されるまで)がんばりたい。

     

    ●雨と心の涙に濡れた/東京1陣遺族原告 町田八千代さん

     

     雨の中、最高裁判決の「旗出し」が来るのを待つ間、今までのことを思い起こし、心も(涙で)濡れている感じだった。中皮腫で亡くなった兄の苦しむ顔や病室での光景が浮かんだ。今日はゴールではなく最初の一歩。「基金制度」ができるまでまだまだがんばりたい。

     

    ●責任逃れ、許さない/京都1陣遺族原告 義経若枝さん

     

     屋根工の原告が認められなかった。裁判のために立ち上がりともに闘ってきたのに悔しい。建材メーカーが参加(出資)する「基金制度」創設を求める。多くの建設従事者の命や健康を犠牲にして多額の利益を上げてきた建材メーカーには責任がある。メーカーが責任から逃げないように最後まで闘う。

     

    ●墓前にどう報告すれば/大阪1陣遺族原告 山本百合子さん

     

     夫は屋根工(屋外作業者)で、最高裁判決で救済が認められなかった。アスベストを吸い込み9年前、67歳で苦しみながら亡くなった顔が浮び、どうして報われないのか、残念でならない。夫の墓前にどう報告していいのか分からない。

     これからも(後続の)裁判が続く。まだ闘っていきたい。

     

    〈写真〉新型コロナの緊急事態宣言下、多くの原告や組合員はユーチューブ配信で「旗出し」の様子を見守った(5月17日、最高裁前)