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    「いのちと暮らし守る」運動を/全労連評議員会/コロナ後見据え討議課題を確認

     全労連は7月28、29の両日、評議員会を開き、「公正な社会へ、いまこそ労働組合 いのちとくらしと雇用と地域をまもろう」と呼び掛ける運動の補強方針を確認した。日常活動を活性化させるための「150万対話」の推進や、8時間働けば暮らせる社会の構築、総選挙での政治の転換を目指すことが柱。

     「コロナ後」を見据え運動を飛躍させるための討議課題も確認した。来年の定期大会に向け、今後1年間かけて議論する。

     

    ●新自由主義の転換焦点に

     

     小畑雅子議長は、医療、介護、保健所の削減をやめるよう訴える、全国一斉の「緊急行動」(9月5日)を提起。低賃金で貯蓄もできないところに、新型コロナ禍が押し寄せ、生活が成り立たなくなった多くの人々の存在が明らかになったと指摘し、「女性も男性も1人分の賃金で8時間働けば普通に暮らせる仕組みをつくらなければならない」と述べた。

     方針は、格差と貧困の拡大が新型コロナでさらに浮き彫りになり「新自由主義の転換が必要との認識が広がり始めている」と指摘。

     秋闘方針では、保健所の拡充や、医師・看護師・介護職・保健師の増員と、公立・公的病院の再編統廃合阻止を求める緊急行動を組織する。新型コロナ対策への思いをつづる「菅首相への手紙」を広く募り、政府に突きつける考えだ。

     来春闘を見据え、非正規労働者への「ボーナス差別やめろ!キャンペーン」を全国で展開する。数年がかりで取り組む最賃アクションプランでは、来年が全国一律最賃実現の目標年。法改正の機運を高める取り組みを強める。

     

    ●最賃闘争に手応え

     

     討論では、この1年で動き始めた最低賃金の大幅引き上げや全国一律制の課題に、手応えを語る多くの意見が出された。

     少なくない地方組織が最低生計費試算調査を元に、最賃1500円に引き上げた場合の地域経済への波及効果を試算している。

     佐賀県労連は県議会での意見書採択に向けて取り組み、県議会議員と懇談する中で、自民党県議団から説明会の講師依頼を受けたと報告。「参加した議員は熱心で、意見書についての質問も出た」と述べた。

     山形県労連は、地元の中小業者が、社会保険料減免や公正取引実現など全労連の中小企業支援策に関心を示し、「これが実現するなら最賃1500円も夢ではない」と話していたと報告した。

     埼労連は県内77の商工会、商工会議所との懇談から、中小企業支援と最賃の大幅引き上げを一体で取り組む必要があると発言。東京労連は個人を含め300通の意見書を東京の最賃審議会に提出したと語った。

     

    ●現実直視し飛躍へ

     

     評議員会では、来年の定期大会までに検討を深める「問題提起」を確認した。コロナ禍で明らかになった「新自由主義的改革」の弊害の打開方向をめぐり、激しいせめぎ合いが続いていると指摘。労働者の要求実現のためには、全労連の組織拡大と運動の飛躍が必要だとして次の3点を検討する。

     一つ目が、企業内労働組合の弱点を克服し、産業別労働組合のさらなる強化と拡充を図ること。二つ目が、国民春闘の再構築。三つ目が、組織強化拡大と学習・教育活動の再構築だ。

     討議方針については、地域の未組織労働者や非正規労働者の組織化に挑む地方労連、1人専従などで孤軍奮闘する実情を報告した地方組織から、歓迎する意見や要望が表明された。

     全労連の組合員数は98年の150万人を頂点に、昨年は100万人を割り込むなど、減少傾向に歯止めがかかっていない。

     ある地方労連は「課題をきちんと総括し検討することが重要だ」と発言。黒澤幸一事務局長は「その通りだ。組織が増えていないことに問題がある。次の飛躍に向けて議論を深めてほしい」と語った。全国の取り組みを交流できる機会を検討する意向を示した。