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    〈解散総選挙を問う〉                         働くルールの破壊止めよう/日本労働弁護団 棗一郎幹事長

     来年の通常国会まで審議が延期された働き方改革関連法案。成立させるのか阻止するのかは、今回の総選挙の結果次第ともいえる。同法案を批判してきた日本労働弁護団の棗一郎幹事長に話を聞いた。

     

    ●長時間労働を助長?

     

     ――法案審議は来年に延期されましたね。

     安倍政権は秋に予定していた臨時国会の最重要法案と位置づけ、「働き方改革の秋になる」とまで言っていた。待ったなしの緊急課題だったはずなのに、臨時国会をあっさりと冒頭解散してしまった。結局、真面目にやる気なんてなかったということではないか。

     ――法案の一番の問題点は何ですか?

     長時間労働を是正するといいながら、なぜ過労死を助長するようなこと、つまり高度プロフェッショナル制度と企画型裁量労働制の適用職種拡大を同時にやろうとしているのかだ。

     高プロ制は、労働時間規制を除外される労働者を増やそうというもの。いくら政府が「残業の上限規制をやります」と言っても、それが適用されないのなら、意味がない。本気で長時間労働を是正したいなら、高プロ制と裁量労働制は引っ込めるべきだろう。

     

    ●個人事業主化が狙いか

     

     ――安倍政権は何がやりたいのでしょうか?

     長時間労働の是正や同一労働同一賃金については、本気度が見えない。本当にやりたいのは、経済産業省や内閣府が提起している「雇用関係によらない働き方」なのではないか。厚生労働省が昨年まとめた「働き方の未来2035」という報告書もその方向を追認している。具体的な実例の一つがアプリ配車のウーバーによる脱法タクシー事業だ。

     シェアリング(分かち合い)エコノミーとか、ギグエコノミーと呼ばれるが、仕事がある時だけの継ぎはぎ低賃金パート労働。しかも雇用関係ではなく、個人事業主として扱われる。

     ウーバーは世界84カ国以上に進出し、半数以上の国で労組や業界団体、行政から反対されている。使用者責任を負わない、時代に逆行した働かせ方が問題視されている。安倍政権は、そのウーバーを東京五輪までに解禁したいという。どこが働き方改革なのか、と言いたい。

     

    (つづく)