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    〈高プロ制ここが問題〉未来奪う制度は許されない                                   東京過労死を考える家族の会中原のり子代表

     小児科医の夫、中原利郎さんを1999年、過労自死で亡くし、労災認定と損害賠償を求めて約11年間闘った中原のり子さん。病院と和解後も過労死問題と向き合い、「過労死を考える家族の会」の活動に積極的に参加。家族の会として高度プロフェッショナル制度に反対し続けている。

     

    ●これは夫の働き方

     

     過労死防止法が2014年6月20日に制定されたわずか4日後、政府は「日本再興戦略」で高度プロフェッショナル制度の創設を閣議決定しました。その時、自分の夫が死んだ理由が分かりました。高プロは夫の働き方そのものだったからです。

     夫の場合、小児科医という高度で専門的な技量を持ち、年収要件も満たしていました。(残業上限を定める)36協定もなく、労働時間は青天井で管理されない働かせ放題。もちろん、残業代は出ません。

     夫は亡くなる前に「馬車馬のように働かされている」「病院に搾取されている」「病院に殺される」と言いました。今でも耳に残っています。高プロ制は、時間管理を外し、労働者を馬車馬のように際限なく好きなだけ働かせ、残業代分の利益は会社のものにする。夫の3つの言葉は高プロ制にぴったり当てはまります。

     

    ●医師の過労死

     

     過労死弁護団によると医師の過労死第1号は1963年に心臓疾患で急逝された整形外科医と言われています。50年以上経った今も医師の過労死は無くならず、状況はむしろ悪くなっていると思います。

     働き方改革関連法案で月100時間未満の残業規制の適用が医師は5年間先延ばしにされています。背景には医師法第19条第1項で、診療治療の求めを正当な事由なく拒んではならないとして医師の応召義務があるからです。この法がある限り、医師は長時間過重労働から解放されません。厚生労働省が設けた「医師の働き方改革に関する検討会」の中には応召義務の撤廃を求める意見もありますが、まだまだ少数です。 

     検討会では当初、医師は労働者ではないと主張する委員もいました。医師はいわゆるエリート。日頃から先生と呼ばれ、親族も医師や医療関係に従事している家庭環境が多く、労働者の自覚が希薄になりがちです。

     

    ●高プロ制でも過労死

     

     高収入ならハイリスクは当然という人もいます。平均年収が約420万円の今、高プロの年収要件1075万円を見れば、高収入への嫉妬もあるのでしょう。しかし、高収入、高度で専門的な技量を持っている人は過労死しないのでしょうか。長時間働けば生産性が上がるのでしょうか。(つづく)