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    協約「失効」は支配介入/岐阜県の建機製造労組/「ほぼ完全勝利命令」

     労働協約の有効期限のわずか8日前に改定案を提示し、協議にも応じないまま、「期間満了で失効した」と主張する会社の行為に対し、岐阜県労働委員会が10月29日、「支配介入」との判断を示した。同社買収後の新たな経営陣が労組に、ユニオンショップ制度の廃止を迫った事案。県労委は、団体交渉で妥結するまでの間、労働協約は有効とし、誠実団交と、再発防止の誓約文の掲示を会社側に命じている。

     救済を命じられたのは、トンネル建設機械製造の岐阜工業。JAM加盟の社内労組が申し立てていた。(連合通信隔日版2020年6月13日付け既報)

     同社は2016年、前社長が身売りし、建機レンタル大手のアクティオグループの子会社となった。その1年後の17年12月下旬、新経営陣が協約改定の意向を表明。翌年1月半ば、協約の有効期限のわずか8日前に、ユシ協定の廃止などの改定案を提示した。事務折衝にも応じず、期限を迎え、同社は協約の「失効」を主張していた。

     県労委はユシ協定の廃止について、「特段の必要性や緊急性を認めることができず、会社から十分な説明がなされていたとも認められない」と指摘。組合に時間の猶予を与えず、労働協約を期間満了とさせたことは、労使対等を侵害するものであり「支配介入」と断じた。

     同社は期間満了直後、労組に宛てた書面で「アクティオグループにおいて、ユシ協定を導入している企業は当社以外にない。当社の労使関係だけが異質な存在。人事交流を進める上で制度を等質化する必要がある」と述べていた。県労委はこの点に着目。協約の期間満了に持ち込んだ、同社の不当労働行為の意図を推認している。

     JAM関係者によると、協約の有効期限直前に改定を表明し、協議にも応じず、期間満了で失効したと主張する、今回のようなケースは例がないという。

     命令の内容は「組合側のほぼ完全勝利」(関係者)。一方、会社側は中労委に再審査を申し立てた。

     争議開始から2年半。岐阜工業労組は、支援する地域のJAM加盟各労組の組合旗を組合事務所に掲揚し、闘争の意思を示す。12月初旬には抗議集会を行う予定だ。