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    〈反貧困ネット全国集会〉上                      困窮者支援へ新たな連帯を/社団法人化で取り組みを強化

     反貧困ネットワークは4月4日、都内で全国集会を開いた。新型コロナウイルス感染症の影響で格差と貧困が拡大する中、貧困の可視化だけでなく、問題解決に向けた新たな運動が必要と指摘。そのために同ネットを任意団体から一般社団法人に移行させたことを報告した。全国集会を機に、困窮する人を地域で支える連帯活動や、政治・社会を変える取り組みに乗り出す。

     

    ●格差と貧困が深刻化

     

     集会にはオンラインを含めて150人が参加した。代表の宇都宮健児弁護士は、コロナ禍による困窮度合いはかつてなく深刻だと述べた上で「日本社会の脆弱(ぜいじゃく)性が明らかになった。命や暮らし、人権よりも経済効率を優先して人々に自己責任と貧困を押し付けてきた結果だ」と批判。「この状況を変え、新たな社会的連帯を目指す運動が求められる。私たちの活動をバージョンアップしなければならない」と訴えた。

     同ネットは2007年、貧困問題の可視化を目的に発足した。08年には、リーマンショックで路上に追われた労働者を支援する「日比谷年越し派遣村」運営の中心を担い、見えにくい貧困の状況を明らかにしてきた。

     昨年来のコロナ禍拡大に対しては、労組を含む広範な団体と連携して「新型コロナ災害緊急アクション」を結成。相談活動や食料支援、生活保護申請、政府要請などに取り組んできた。「ささえあい基金」も設立し、約1億円の寄付を集めて困窮者に支給した。

     

    ●孤立状態を放置しない

     

     全国集会で瀬戸大作事務局長は「お金を配ったり、生活保護でアパート入居まで支援したりというだけでいいのか。仕事がなく、体調が悪い状態で孤立を深める状態を放置するわけにはいかない」と指摘。継続的な支援が求められるとし、各地域で集まれる場所づくりや医療、就労につなげる必要性を訴えた。

     同ネットの社団法人化はこうした支え合いの取り組みを強化するのが目的。瀬戸事務局長は「貧困問題を社会的・政治的に解決する活動と事業を展開していく」と語っている。

     

    〈写真〉「新たな社会連帯を目指す運動に取り組もう」と呼び掛ける宇都宮代表(4月4日、都内)