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    日本労働弁護団が声明

    安倍改憲阻止へ立ち上がろう!         -棗一郎同弁護団幹事長に聞く―


     十分な国民議論がないまま改憲が進むことを懸念する声が、全国で高まっています。こうした中で日本労働弁護団は10月25日、安倍政権による憲法改悪に反対する異例の幹事長声明を発表しました。同弁護団幹事長の棗(なつめ)一郎弁護士に思いを聞きました。

     

    悲惨な歴史繰り返さないために

     来年夏の参院選を控え、改憲勢力が3分の2以上の議席を占めているうちに安倍政権が改憲を発議する可能性は高く、緊迫した情勢です。昨年、森友・加計疑惑から逃れるために解散・選挙に踏み切った経緯もあり、安倍政権はどんなことをしてでも改憲手続きを進めるはずです。

     日本労働弁護団は働き方改革関連法成立後の今年7月、安倍政権が今後何をするかを議論しました。裁量労働制の再調査、解雇の金銭解決の法制化などは、多分再来年の国会になるでしょう。すると次に進めてくるのは改憲ではないか、と分析しました。

     その後、弁護団の中に憲法改正検討チームを結成。憲法学者を招いたり、戦前の労働運動の弾圧の歴史を研究したりと、学習会を重ね、今回発表した声明文を作成しました。

     労働問題と労働法制に特化した日本労働弁護団が憲法問題を扱うことは結成以来30年間一度もありませんでしたが、われわれは法律家。国の根幹を決める最高法規である憲法の改悪を許せば、悲惨な歴史を繰り返すことになります。この声明は、かけがえのない労働運動を守るため、労働者と労働組合が立ち上がり、改憲を阻止しようという呼び掛けです。

     

    戦争で犠牲になるのは労働者

     戦争が起きれば、真っ先に犠牲を強いられるのは労働者。自衛隊はもちろん、医療、土木建築、輸送などあらゆる職場の労働者が戦争協力を強制されます。命と安全を犠牲にさせられるのは、基本的人権の侵害です。私たちは意見書もつくり、労働者にとって具体的にどのような権利侵害が起きるかについて、詳細に分析しました。

     戦争のために国家総動員体制が敷かれ、労使一体で皇国に報いる産業報国運動が起こると多くの労働組合は解散・消滅し、大日本産業報国会に統合された歴史があります。戦後の労働運動は「平和なくして労働運動なし」というスローガンを掲げて再出発しました。今こそ、この教訓に学ぶべきです。

     

    運動で若い世代の世論喚起を

     自民党改憲案は、9条の2を設けて自衛隊を書き込み、1項と2項を空文化することで、日本を戦争ができる国にしてしまいます。

     「『違憲』と批判される自衛隊がかわいそうだから憲法に書き込むだけ。何も変わらない」と吹聴されますが、これは大ウソ。国民投票になれば、こういう宣伝やネット上のデマやヘイトが拡散されるでしょう。

     日本民間放送連盟(民放連)は10月12日、改憲の是非を問う国民投票の際、賛成・反対のCM量のバランスを自主規制しない方針を明らかにしました。資金のある陣営のCMが洪水のように押し寄せてくるはず。

     若年層の世論をどう引き付けるか。ネットのデマ対策を含め、従来とは違う世論喚起や大衆運動が鍵になります。

     

    日本労働弁護団

    「安倍政権による憲法改悪に反対する声明」とは

     日本労働弁護団が10月25日に発表した異例の声明。「平和と労働運動を守るために!」を副題に、日本のすべての労働組合と労働者に憲法改悪を阻止する運動に立ち上がることを呼びかけた。

     「平和を守る重要な砦(とりで)は労働運動である」と強調し、同弁護団がすべての労働者や労働組合、平和を求める市民団体と団結・連帯して、安倍政権による憲法改悪を阻止する運動に全力で取り組むことも宣言した。