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    知ってますか?春闘のキホンのキ

    賃上げは要求と交渉で決まります


     今、2018年春闘の準備が進められています。でも「春闘ってなんだかよく分からない」という声を聞きます。一体、春闘とはどういうものなのでしょうか。

     

    ●Q1 給料が上がるのは安倍首相のおかげ?

     

     安倍首相は18春闘について「3%賃上げ」を企業側に求めています。昨今の日本の賃上げ率は2%前後で推移していますから「もう少し上げるべし」という意思表明なのでしょう。

     一国の首相が旗を振ったからといって賃金が上がるほど、世の中は甘くありません。一部の大企業は法人税を引き下げてほしいからと、首相の意向を忖度(そんたく)するかもしれませんが、大多数の企業にとっては迷惑な話です。

     首相が賃上げを訴えているのは、経済政策「アベノミクス」の破綻を認めたくないから。「賃上げ→消費拡大→経済成長」の図式で、失敗をごまかすのが狙いです。消費税率を上げたり、社会保障費を削ったりが続いては、安心してお金を消費に回せません。企業も投資に回さず、もうけをため込むばかり。こんな悪循環が続いています。

     口先だけの「3%賃上げ論」をありがたがる必要は全くありません。

     

    ●Q2 給料の額に組合が口出ししてもいいの?

     

     「経営のことは会社が一番分かっているし、利益の状況を考えて会社が賃金を決めているんだから、任せておけばいい」という意見は少なくないようです。

     でもよく考えてみましょう。会社の利益は経営者だけが頑張った結果ではありません。社員がそれぞれの持ち場で一生懸命働いたことによって、生み出されたもの。経営者と社員の共同作業なのです。

     自分の働きや頑張りへの見返り(賃金)が十分かどうかについて、社員側は意見を言う権利があります。「自分に関わることについて、自分を抜きに決めないでほしい」というのは、民主主義のイロハでしょう。

     ところが、利益追求を大きな目的とする会社組織では、必ずしも民主主義が通用するとは限りません。個人が文句を言っても、相手にはされにくいでしょう。

     そこで、役割を期待されるのが労働組合です。社員全体の不満や不平を代表して会社側にものをいい、不十分な点は改めてもらうよう要求します。賃金の引き上げを求める春闘も、そうした活動の一環なのです。

     

    ●Q3 そもそも春闘って何なの?

     

     まず労働組合は何をする団体なのかを確認しましょう。それは(1)労働条件を引き上げる(2)雇用を守る(3)働く者の地位を向上させる――ことが大きな目的です。

     春闘は(1)の労働条件向上の中心的な取り組みです。1955年に始まり、今日まで続いてきました。春の時期にみんなで集中して賃上げを求めることで、よりよい成果を出そうと考えられた戦術の一つです。

     日本の会社の多くは3月が年度末決算。4月から新年度が始まります。「決算状況を踏まえつつ、新年度には新しい賃金を適用させよう」と、この時期を設定したのです。賃上げ交渉の時期が春とは限らない外国の組合との大きな違いです。

     

    ・非正規問題も重要課題

     

     最近の春闘では、非正規雇用労働者の雇用確保や処遇改善も大きなテーマになってきました。「組合員じゃないから関係ない」と放置するのは危険。会社はそうした働かせ方や労働条件を広げようとしてくる恐れがあるからです。働く仲間の問題として春闘で取り組むことが大切です。