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    便利さのコスト「コンビニの闇」

    働く者の犠牲で成り立つ本部独り勝ち


      「24時間開いていて便利」――人々の生活に定着しているコンビニエンスストアですが、一昨年には、セブン‐イレブンが「ブラック企業大賞」を受賞するなど、闇の部分も指摘されています。いまコンビニはどうなっているのでしょうか?

     

    ●バイトもオーナーも犠牲者

     

     ブラック企業大賞を受賞した理由の一つが、ブラックバイトの存在です。

     「高校生に違法な10時間連続労働をさせた」「おでんやクリスマスケーキを買わされた」「危険な一人夜勤(ワンオペ)がある」「15分未満の残業代払わない」など、労働基準法違反やパワハラまがいの実態が横行しています。いずれもDVD「コンビニの秘密」(アジア太平洋資料センター制作)で当事者が証言しています。

     そろそろ、おでんの季節。12月にはクリスマスケーキも。売れ残りをバイトが押しつけられないか心配です。

     残業代は是正されたはずですが、セブン‐イレブンには「15分単位」の店が残っているとも指摘されます。

     

    ●やめるも続けるも地獄

     

     ブラックバイト横行の背景には、オーナーの置かれた厳しい状況があります。

     その一つが「ドミナント」と呼ばれる、近隣地区での多店舗展開です。歩いて1分以内の場所に同じコンビニが開店することも。

     コンビニ本部はどんどん出店させて、その地域を独占する作戦です。全体の売り上げが伸びれば本部はもうかる仕組みだからですが、困るのはオーナーです。

     あるオーナーは「何の相談もなく、いきなり近くに出店すると言われた。売り上げは減るし、バイトも取られてつらい思いをした」と告発しています。

     もうやめたいと思っても出店時の借金と高額の中途違約金のため、簡単にはやめられません。

     

    ●食糧危機でも大量廃棄?!

     

     オーナーを追い詰めるもう一つの仕組みが、独特のコンビニ会計です。売れ残りの食品を見切り販売でなく、廃棄させれば本部がもうかるというのです。

     コンビニのロイヤルティー(上納金)は、売上から仕入れ原価を引いた粗利にかけられます。ところが、廃棄される食品の仕入れ原価は引かれません。結果としてオーナーが負担する形となり、店としては利益が出なくても粗利が発生して上納金を取られます。

     現在、廃棄される食品はコンビニ1店舗平均で年4・1トン、530万円分にも達します。世界では気候変動や紛争の影響もあり、飢餓が大きな問題になっています。食糧危機さえ予想される中でこうした大量廃棄は許されるのでしょうか。

     

    ●フランチャイズ規制法を

     

     オーナーらでつくるコンビニ加盟店ユニオンなどは現在、一方的に不利な条件を押し付けられないよう、対等な立場での契約を保障する「フランチャイズ規制法」の制定を要求しています。見切り販売や営業時間を自由に決められるようにすること、多店舗展開する場合の事前協議や、不利益を被った際の損害賠償などがその内容です。

     コンビニ問題に詳しい中野和子弁護士は「日本のコンビニの特徴は本部が強欲過ぎること」と断言します。発祥地の米国や、進出先の中国、韓国でもフランチャイズ規制法が制定されていることを紹介。早期制定を求めています。

     便利なコンビニですが、本部のやりたい放題は許されません。公正なルールが必要でしょう。