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    こんなときどうする?

    労働相談から


    テレワークで残業時間が増えましたが、会社が残業代を払ってくれません。どうしたらよいでしょうか。

     使用者の残業代支払い義務は、労働者が使用者の指揮命令に従って働いた時間(実労働時間といいます)が、労働契約で決められた労働時間(所定労働時間といいます)を超えたときに発生し、これが1日8時間もしくは週40時間を超える場合には、割増賃金となる残業代の支払いが必要になります(労基法37条)。 

     使用者からの指示に従って業務を行っていれば、自宅であっても実労働時間となり、所定労働時間を超える場合には残業になり得て、残業代が発生します。

     テレワークの場合、労働者が事業場に出勤しないことから、使用者が労働時間をどのように把握・管理するのかが新しい問題となっています。そのため、労働者としても(1)指示された仕事を終えるために残業が必要であることと、(2)残業の見込時間を伝えて使用者に了解を取り、その後、(3)残業によって作成された成果物を提出し、(4)残業終了の報告をメール等に残すなどして労働時間をしっかり記録化し、残業の事実を使用者に認識させることをお勧めします。

     本来、労働時間管理は使用者の義務ですので、使用者に適正な労働時間管理と残業代の支払いを求めることが大切ですが、コロナ禍で顕在化し手探り状態の問題でもありますので、労働者側でも自衛策を講じておくことが肝要です。

    (弁護士 上田裕)