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    全国安全週間(7月1日~7日)

    高年齢者を事故から守ろう


     労働者が65歳を超えて70歳まで働けるよう、雇用主の努力義務を定めた法律(改正高年齢者雇用安定法)が今年4月に施行されました。そこで心配されるのが、増加傾向にある高年齢者の労災事故です。安全に働き続けるため、職場ではどんな対策が求められるのでしょうか。安全問題に詳しい厚生労働技官に聞きました。

     

    増える高年齢者の労災

     Q 高年齢者の労災事故が増えているそうですが?

     A 2008年からの10年間で、休業4日以上の死傷者災害に占める60歳以上の割合は18%から26%へ増加しています。他の年齢層の割合が減っているのとは対照的。特に70歳前後が高く、今回の法改正の影響が心配です。

     

     Q 政府の対策は?

     A 政府も問題を認識していて、昨年3月には「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」を策定。労災を抑制しようと努めており、高年齢者に配慮した職場環境の改善や該当者の状況把握と対応、安全衛生教育の実施などの対策を定めています。

     

    高年齢者の安全はみんなにとっての安全

     Q 効果はどうですか?

     A 現場ごとに就労する労働者の特性に合わせた対応が大切。過去の事例に学びながら、各職場で具体的な対策を進める必要があります。実際の指導例を挙げると、フォークリフトが警告音を鳴らして近づいて来ても聞こえにくいなど、年齢が高くなると、聴力など五感が衰えます。ならば、ランプを点滅させてみてはどうか、などです。

     Q 特別な高年齢者対策が必要ということですか?

     A 高年齢者にとって安全な職場は、ほかの従業員にとってもより安全な職場になるはずです。高年齢者に高所作業を禁じている職場がありますが、本当は誰がやっても安全でなければならないわけで、高年齢者でも安心して高所で作業できるような環境づくりが必要です。

     

    安全対策に終わりなし/職場で常に見直しと改善を

     Q 他にも改善の余地がありそうです。

     A 「頭上注意」「足下注意」などの貼り紙の場所や位置も工夫してほしいです。当該場所を通る時の目線がどこにあるかが大事。下向きで歩いている時に、上の方に「頭上注意」とあっても目に入らず、気付いた時には手遅れとなりかねません。併せて注意喚起のポスターは、文字を多くしないこと。一目で分かるものにしないといけません。

     Q そんな細かいことまでやるのですか?

     A 政府のガイドラインを一応押さえた上で、実際の職場でどういう対策が必要かを話し合いたいですね。ガイドラインにもサンプルが例示されています。安全対策に終わりはなく、常に見直し・改善を追求することが求められます。