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    国と自治体の職員

    まさかの最賃割れの現実


     公務員の高卒初任給が最低賃金額を下回る事態が広がりつつあります。近年、最賃が大幅に引き上がっているためです。早急な対策が求められます。

     

    箱根町と湯河原町で6人

     神奈川県内では4月時点で、7自治体の高卒初任給が最賃(983円)を下回っています。そのうち高卒で実際に就職した職員の存在が確認できたのは、箱根町(時給換算で942円)の4人と、湯河原町(同885円)の2人でした。

     神奈川労連が毎年行っている全自治体との懇談の中で判明したといいます。

     両自治体が今後、国の人事院勧告並みに初任給を2千円引き上げても、最賃未満の状態は解消しません。しかも最賃は10月から1011円にアップします。確定闘争での大幅な賃上げが必要でしょう。

     

    国は34地域で下回る

     国家公務員の場合、8月に出された人事院勧告が実施されれば、高卒初任給が2千円アップし15万600円になります。

     これを時給換算(年間労働時間2015時間)すると897円です。10月から適用される新しい最賃額の全国過重平均901円に届きません。実際、8都府県を除いて最賃割れが起きることになります。

     公務員には基本給とは別に、地域手当が支給されています。これを加味して計算すると、最賃割れは減りますが、それでも政令市の相模原市を含め5都府県の34地域(市町村)で働く国家公務員の高卒初任給が最賃未満です。

     

    時給換算にも問題あり

     高卒初任給(月額)を最賃額(時間額)と比較する場合、時間額にそろえる必要があります。

     例えば、国の高卒初任給は現在14万8600円。神奈川県箱根町も同額です。ところが、時給換算すると国は884円、箱根町は942円と大きな差がついています。なぜでしょうか。

     年間労働時間数が異なるためです。国は2015時間、箱根町は1891時間を使っています。国の方が年間124時間(16日分)多く働いていることになります。時間当たり賃金(時給換算)の計算では、分母の労働時間が長いほど時給額は低くなるのです。

     「2015時間」は国民の祝日と年末年始の休日に働いたという架空の数値。実際の所定労働時間ではありません。あえてこの数字を使うのは残業単価などを低く算出するためと見られます。残業代を低く抑えるために今後も最賃割れを放置し続けるのかどうか、国の姿勢が問われています。