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    「報道の自由守られず」6割

    マスコミ労組が現場アンケート


     新聞やテレビが政権について報道する際、かなり萎縮が進んでいるといわれます。新聞や放送などの労組でつくるマスコミ文化情報労組会議(MIC)がこのほど記者や制作スタッフに行ったアンケートでも、そうした傾向が裏付けられました。

     

    「医療崩壊と書くな」と圧力も

     アンケートは、「報道の危機」を感じているかを中心に尋ねました。214人が回答し、58%が「報道の自由が守られていない」と答えています。

     背景として、政権からの圧力・介入と併せ、メディア幹部による忖度(そんたく)や自主規制、事なかれ主義の広がりを指摘。自由記述欄には「政府側から『医療崩壊と書かないでほしい』という要請がある」「政権からクレームが来ることを恐れて批判精神がなくなっている」などの告発が並んでいます(表)。

     

    現場の声広げること大切

     メディア問題に詳しい砂川浩慶立教大学教授は「これだけの数が集まったという意味で、意義あるアンケート」と指摘。その上で「こうした現場の声をどれだけ広げられるか」が問われるといいます。

     そのためにはどうすればいいのでしょうか。

     「昔から言われているが、メディア内で『内部的自由』がなければ『表現の自由』にはつながらない。上司への批判も重要だが、自分が上司になった時に、同じような弊害を繰り返さないことが重要だ」と砂川さん。

     併せて、同じ思いを持つジャーナリストたちを孤立させないことだとし、「難しくても、企業の枠を超えて結集しているMICのような労働組合に期待したい」と語ります。


    よい記事・番組を褒めよう

     砂川さんは、情報を伝えるべき市民の存在にもっと目を向けるべきと指摘し、こう訴えます。

     「今回のコロナ禍で医療従事者への感謝が集まったのは、自らがリスクを負って立ち向かっている姿が多くの感動を与えたからだ。市民にとってメディアがどのような存在なのかを振り返ることが必要。そのうえで、何が必要とされるかを分析し、役割を果たすべきだろう」

     「現場は疲弊しており、私も『良い記事や良い番組を是非、褒めよう』と講演や授業で繰り返している。市民がメディアを育てるとの意識が社会で共有されることが大切だ」