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    〈写真〉「困ったら組合へ」と語る竹信恵子さん

    ようこそ新人さん

    「組合はあなたの仲間です」

    ジャーナリスト・竹信三恵子さん

     期待と不安を抱えながら社会人の第一歩を踏み出す皆さんに、職場での問題の対処法をジャーナリストの竹信三恵子さんがアドバイスします。竹信さんは朝日新聞記者・論説委員を経て、昨年3月まで和光大学教授を務めました。取材や授業を通じて「いまどきの若者」をよく知る人です。


    職場で味方をつくろう

     職場では味方をつくることが大事ですね。人間って自分に親切にしてくれる人を好きになるもの。私は記者時代にいじめられたことがあり、その時気遣ってくれた人たちが後になってもいろいろ支えてくれる味方になりました。

     仕事は個人プレーではなく、仲間とやることが多いですよね。いい仕事をする上でも味方・仲間はとても大切です。

     労働組合は、そうした仲間づくりの延長線上にあるものだと考えています。人と人とのつながりを具体化した形の一つが組合です。

     職場で自分を支えてくれる存在であり、これも「ご縁」として大事にしてほしい。人のネットワークを広げる上で役に立つし、仕事のやりやすさや安心感も確保できます。

     

    対等にものを言うために

     私は記者時代、組合がそれほど大事な存在だとは見ていませんでした。でも、ある取材を通じて考えが変わりました。

     香港で清掃業務に就いている非正規の労働者たちが結成した組合があります。女性が多く、リーダーになった方も女性でした。

     彼女はこう言いました。

     「これまでは会社の偉い人がくると、ペコペコしてばかり。でも組合で団体交渉したら、水平目線で主張ができて、とても気持ちよかった。対等になれるってこういうことなんですね」

     この取材で、私は組合を再認識しました。会社と対等になるには組合は不可欠なのです。

     自分が職業人生をまっとうする上で、組合を含め使えるものは何でも使うという構えが必要。同じように会社を「使い倒す」くらいの心構えも求められます。仕事を通じた勉強や研修、人脈など、その気になれば自分を磨くチャンスはいろいろあるのですから。

     

    困ったら組合に相談を

     若い人たちは働くルールや労働組合をよく知らずに育ってきました。現在の「労働」をめぐる環境からすれば、知らなくて当然でしょう。

     でも、組合にはさまざまなメリットがあります。差別されたり、不当な扱いを受けたりしたとき、組合はきっと役に立つはずです。

     職場で「困ったな」と思うことがあれば、「とにかく相談に行っちゃいなよ」と勧めています。いきなり組合に行くのに抵抗があるなら、別の行政機関でもいいでしょう。

     労働相談に行くのは、病院にいくのと同じです。体調が悪ければ、病院で診察を受けて治療してもらいますよね。専門の医者が問題点を指摘し、対処方法を教えてくれます。労働相談でも「悪いのはあなたじゃなくて会社の方だ」と見立ててくれ、対処法を教えてくれます。

     「困ったら相談」です。組合は一番身近にある相談機関だといえるでしょう。