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    核兵器のない世界へ/広がる若い世代の行動

    「ヒバクシャ国際署名キャンペーン」

    リーダー 林田光弘さん

     核兵器の廃絶と禁止条約批准を目指してヒバクシャ国際署名が進められています。被爆3世でもある林田光弘さん(27)は高齢の被爆者らとともに、これまであまりつながりがなかった若い世代に署名を広げる運動の先頭に立っています。

     


    SNSやAI駆使して

     みなさんが感じている以上に若い人たちはつながり、行動しています。

     例えば「カクワカ広島~核政策を知りたい広島若者有権者の会~」は広島出身の国会議員に「核兵器廃絶のためにあなたは何をしますか」と質問し、返答などをフェイスブックで発信しています。

     大学教授や高校生らが手がけている「『記憶の解凍』プロジェクト」では、人工知能(AI)技術を活用して被爆当時の写真をカラー化。アプリをダウンロードして広島平和記念公園内でスマホをかざすと、その写真が映し出されるという仕組みです。

     高齢になった被爆者に代わって、若い世代がその体験を伝える取り組みも進んでいます。長崎大学の学生たちが中心で、学校などに出向いて被爆の実相を語っています。

     東京在住の若手クリエイターやアーティストによる多彩な企画展もあります。被爆体験と芸術のコラボなどを追求し、若者の感性に訴える取り組みで、地方でも実施しています。

     

    一緒に世界を変えよう

     長崎で過ごした高校生時代、「どうして8月9日11時2分に長崎に原爆が投下されたことを(多くの人は)知らないんだ」と怒っていました。

     でも東京へ来て、考えが変わりました。僕も東京大空襲のことを知らなかったからです。「関心がない」のは自分ごととして感じ、考える機会がなかったからです。

     「核兵器のある世界を変えられるのか」と言われますが、僕は変えられると考えています。この署名にはパワーがあります。現状を変えたいと考え、諦めずに活動すること。若い世代に対して「一緒に社会を変える仲間になってほしい」と訴えれば、多くの人の心に響くと思います。

     

    工夫しながら署名推進へ

     被爆者は原爆によって「個としての存在」が踏みにじられ、無差別に人間性を破壊されました。日々の生活や家族、ささやかな夢さえも奪われ、いまもその苦しみが続いています。

     日本原水爆被害者団体協議会は、被爆者自身が被爆体験を語り、核兵器をなくす運動にかかわることで人間性を取り戻し、解放されると話しています。孫ほど年齢の離れた僕を、対等に扱ってくれる被爆者を尊敬しています。

     さらなる署名推進へ、企画や運動を工夫しながら進めています。署名の地域連絡会は全国で27に広がり、幅広い人たちとどうしたら足並みをそろえられるか考えています。労働組合の皆さんにも期待しています。