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    「自治体は戦争に再び加担しない」

    全国首長九条の会発足

    鹿野文永・準備会事務局長          (元宮城県鹿島台町長)に聞く


     全国の自治体首長と首長経験者による「全国首長九条の会」が11月17日、発足しました。安倍首相による9条改憲の阻止に向けて役割を果たそうとアピールしています。自民党が国民投票を見据えて、草の根から改憲の世論をつくろうとしている時だからこそ、首長の会結成は「9条守れ」の運動を進めている地域の取り組みを励ますことになると期待されています。

     全国の会づくりを呼び掛けてきた鹿野文永・結成準備会事務局長(84)に、会結成に当たっての思いを聞きました。鹿野さんは、宮城県鹿島台町(現大崎市)の元町長で、2015年に結成された東北6県市町村長九条の会連合で幹事長を務めてきました。

    愚直に改憲反対の運動を

     安倍首相は今、米国の意を受けて9条改憲に並々ならぬ決意を語っています。米国は「安倍さんが首相のうちに9条を変えさせよう」という腹で、首相はその米国の言いなりになろうとしています。

     米国も安倍さんも、改憲に反対する私たち草の根の運動を止めることはできません。ここが大事なところです。ですから、ひたすら愚直に運動を続けていくことです。改憲の動きが強まっているだけに、一層心して取り組む必要があると思います。

     

    住民の安心・安全こそ大切

     自治体の首長にとって最も大切なことは、住民の安全・安心を守ることです。それを脅かす最大のものが戦争であり、徴兵を含めた戦時体制なのです。

     自治体が再び住民を戦争に駆り出す道具になってはならないし、そうさせてはならない――首長が9条を守ることの意味はそこにあります。それは同時に、地方自治の本旨に基づく行政を徹底することでもあります。

     戦争というものは、政府だけでできるわけではありません。どうしても地方公共団体を手先に使う必要があります。先の戦争では、自治体の「兵事係(軍用係)」が徴兵事務など戦争の下請け業務をやりました。

     兵事係は平和憲法によって、自治体がやるべき事務ではなくなったのです。ところが今年2月、安倍首相は自衛官の募集にあたり、自治体は住民の個人情報提供などで国に協力すべきと発言しました。自治体は中央政府と対等の立場にあるにもかかわらず、中央政府の意に従わせようという発想です。時代錯誤も甚だしい。実際、この発言は猛反発を受けましたね。

     

    平和国家を後世に残そう

     私たちは2015年、平和憲法を守り抜こうと決意し、「東北6県市町村長九条の会連合」を結成し、活動してきました。

     安倍首相が改憲への決意を述べている今こそ、首長九条の会の運動を全国に広げなければと痛感。全国の首長と首長経験者に呼び掛けたところ、賛同の声がどんどん増えて、130人を超えました。

     全国の会結成は、各地の草の根の運動を励ますものと確信しています。平和国家日本を後世に引き継ぐため、所属や立場、信条の違いを超えて手を携えてまいりましょう。