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    最低賃金

    1000円届かぬ日本

    世界の流れは1500円


     著しい物価高騰の下、今年度の最低賃金改定が6月から8月にかけて行われます。政府はできる限り早く全国加重平均で千円にするという従来の目標を引き継ぎましたが、世界の流れはすでに1500円です。

     

    1500円に向かうドイツ

     ドイツは10月から最低賃金を時給12 ユーロに引き上げます。2021年平均の為替レート換算で1576円。円安前の20年の為替レートでも1500円に迫る水準です。1年前と比べ25%もの増。

     イギリスは4月、6・6%増の9・5ポンドに引き上げました。円換算すれば1473円(以下21年平均為替レート)。

     欧州連合(EU)は近年、「賃上げによる経済成長」を重視。それぞれの国の賃金の中央値の6割を下回る賃金では、人並みに暮らせない水準だとして改善を呼び掛けています。ドイツとイギリス両国ともこの指標を重視し、物価高騰を加味した結果の引き上げです。

     フランスは消費者物価が2%上昇したため、1月に続き5月にも最賃を引き上げ10・85ユーロ(1425円)に。昨年1月からの上昇率は5・9%です。

     5月に発足したオーストラリアの労働党新政権は6月15日、最賃を7月から5・2%引き上げ21・38豪ドル(1806円)にすると発表しました。

     

    米国は1600円台の州も

     米国では最賃15ドルをめざす労働者や市民の運動が10年前に始まり、州や市を動かしています。

     最賃引き上げを訴える市民団体NERPによると、全米50州中29州が連邦最賃(7・25ドル)を上回る最賃を定めているといいます。カリフォルニア州とニューヨーク州は州最賃・時給15ドル(1662円)を実現。最近ではハワイ州が2028年までに、段階的に時給18ドル(1994円)にする法案をこのほど可決成立させるなど、多くの州や市で15ドルやそれ以上への引き上げ目標を決めています。

     

    韓国を下回る日本の最賃

     日本はどうでしょうか。1人当たりの平均は時給930円ですが、40道県がこれ以下の水準です。最低額は高知と沖縄の820円。所定労働時間を月160時間とすれば、月収は13万円余りです。とても人間らしく暮らせる水準ではありません。韓国(全国一律)の9160ウォン(933円)をも下回ります。

     昨年の最賃改定は平均28円。史上最高と騒がれましたが引き上げ率は3%余り。他の先進国の比ではありません。政府が掲げる「できる限り早期に全国加重平均千円」も、主要国に遠く及ばない水準です。