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    2022春闘

    低下した賃金の回復を


     2022春闘の方針論議が始まりました。財界寄りの自民党までもが、「賃上げ」を選挙で言わなければならないほど、日本の賃金は切り下げられてきました。生活のためにも、日本経済のためにも賃上げが必要。そのために日本全体で賃金を引き上げる春闘の役割が重要になっています。

     

    日本だけが賃金落ち込み

     1997年から2020年までの平均年間賃金(名目)の変化を、経済協力開発機構(OECD)のデータで見ると、フランスやドイツで50%以上、アメリカやイギリスでは約2倍上がっています。これとは対照的に、日本は93・3%と落ち込みました(グラフ)。

     各国の年間平均賃金でどれだけの購買力があるのかを見たデータでも同様の傾向が示されています。欧米の先進諸国は2~4割上昇させていますが、日本は横ばいです。実際、物価上昇による購買力の減少分を加味した「実質賃金」は2010年以降、「アベノミクス」を経ても、低下したままです。

     この最大の要因は、経団連による総額人件費抑制の方針。非正規労働を大幅に増やすとともに、毎年の春闘で従業員全体の賃金を引き上げる「ベースアップ(ベア)」を否定し、「ベアゼロ」や低額ベアを押し付けてきました。賃金の低下はその結果です。

     

    日本経済成長のためにも

     OECDが今年9月に公表した中間経済見通しによると、21年の経済成長を示す国内総生産(GDP)の成長率の見通しは、世界各国の平均が5・7%。米国とユーロ圏が5~6%台なのに比べ、日本は2・5%と小幅です。

     コロナ禍での消費抑制に加え、90年代以降長期間続いた個人消費の低迷が影響していると指摘されます。低下した賃金の回復は、今や日本経済全体の課題にもなっています。

     

    〈春闘とは〉

     国内の労働組合が毎年春に、一斉に賃上げを使用者に要求し、同じ時期に集中して回答を引き出す取り組みです。賃上げの相場をつくり出すことで、組合のない職場にも、賃上げを波及させる効果があります。

     好調な業種の組合や、交渉力のある組合が先行して回答を引き出し、後に続く組合が上積みを求めて交渉します。

     22春闘で、連合はベア2%程度を含む4%程度の引き上げ目安を提案(12月に決定)。全労連など国民春闘共闘委員会も昨年同様、大幅引き上げの要求を検討中です。