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心の相談室/(123)自分の好きな香りを見つけて

コーヒーの香りといえば、リラックス効果で知られていますね。実際、コーヒーの香りをかぐと脳からα波がでるそうです。α波は、脳波の一つで心身共にリラックスしていると出るといわれます。α波の効果としては、脳と体を休めるリラックス効果、ストレスを鎮める効果、脳の活性化を促して免疫力を高める効果など、さまざまな効果があります。良い効果がたくさんあるものの、実際にどのようにすればα波を出せるかは意外と難しく、香りをかぐことでα波が出るのであれば即効性があり、有効な方法です。
コーヒーの香りに限らず、香りは非常に影響力が大きいことがわかっています。視覚や聴覚など嗅覚以外の感覚がすべて視床経由で大脳皮質に伝わるのに対して、嗅覚だけは嗅球という機能を伝わり、大脳皮質に直接届けられるため途中でブロックされることがないことがポイントです。
香りをかぐだけで効果が本当にあるのかと、疑問に思う方もいらっしゃると思いますが、嗅覚は自律神経系や内分泌系、免疫系など生体機能を調整している視床下部に直接的に伝わるため効果が出やすいのです。ミントの香りで気分がしゃきっとする、ラベンダーをかぐと心が和らぐなどはよく知られていますね。皆さんも実際、経験があるかもしれません。
即効性があるため、患者さんにもお話しすることがありますが、イライラしたり、怒りがコントロールできなくなったりした時にも有効です。ラベンダーの香りはうつや不安に効くといわれていますが、「~に効く」というよりも自分の好きな香りを見つけて持ち歩き、怒りが爆発しそうになった時その香りをかぐことをお勧めします。アンガーマネジメントの一つとして使ってみてください。