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心の相談室/(121)「人間関係の悩み」への対処法

心療内科の診察の中で、必ず出てくるのが職場の人間関係の悩みです。「上司とウマがあわず、仕事がやりにくい」「部下が言うことを聞いてくれない」などさまざまですが、これらの根底には、〃すべき〃という考え方があるのではないでしょうか。
例えば、〃上司とはうまくやるべき〃とか〃部下は上司の言うことを聞くべき〃という〃すべき思考〃があるから、イライラしたり悩んだりするのです。
でも、よく考えてみると、必ずしも上司とうまくやらなければならないわけではありません。相手に気に入られようと完ぺきをめざすから疲れてしまうのです。
もし、どうしてもめざすポジションがあって、そのために上司とうまくやらないとだめならば、「この人とうまくやることができたら、自分にとってプラスになる」と捉えなおして、関係を築く努力をしてみるのもよいでしょう。一度そりが合わないと思うとその人が完全に苦手になり、どこを見ても嫌に思えることがあります。こうなると一緒にいる時間ずっと嫌になってしまいます。
人間関係の法則には3:4:3の法則というものがあります。これは、周囲の人の3割は、あなたのことを応援してくれる人やあなたのことが好きな人。4割は、あなたのことを応援も否定もしないし、好きでも嫌いでもどっちでもない人。そして残り3割はあなたを否定・批判してくる人や、あなたのことを嫌いな人であるという法則です。
この法則からすると、どんなに頑張っても相いれない人が、3割はいるのです。だから、この3割をなんとかしようと力を注ぐのではなく、合わなくてもよいと目をつぶるぐらいが、ストレスをためないコツだと思います。