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    ミャンマーの未来奪わないで

    在日ビルマ市民労組書記長 上杉天々羽 さん

     国軍によるクーデターの第一報を聞いた瞬間は、ショックのあまり何も考えられませんでした。5年間の民主化を経て、未来は明るくなると期待していたのに…。

     国軍の動きには、以前から警戒はしていましたが、平和的なデモ参加者の頭を実弾で狙い撃ちするなど、ひどすぎます。暴力と人権侵害が広がっています。民主化運動が国軍につぶされた1988年を繰り返してはいけない。今度こそ軍を倒す必要があります。

     私は若い時に語学留学で来日し、その後、日本で結婚し子どももできました。昨年1月には子どもの将来を考えて帰化し、今は医療通訳士として働く毎日です。

     いわゆる活動家ではありません。でも、ミャンマーの未来のためにやるしかない。民主化後の若者たちはタトゥーを入れたり、ピアスをしたりして、軟弱だなと思っていました。その子たちが今、実弾の恐怖と闘いながら未来のために立ち上がっています。私はできることを精いっぱいやらなくてはいけない。

     現地で仕事がストップした親族には、仕送りをしています。軍が非道を行っている映像を送ってもらい、日本で発信し続けています。

     大事なのは国際世論です。日本政府が民主化を支援してくれたことにはすごく感謝します。一方、国軍との関係には疑問があります。昔から軍はさまざまな利権を持っていて、それが民主化によって危うくなると感じたのが今度のクーデターの背景です。

     日本政府に対しては、アジアの民主国家として、軍に強い圧力をかけてほしい。

     国軍がつくった今の政権は毒そのもの。日本政府はその毒を支えないでください。軍隊や警察がのさばる社会なんて、もういりません。

     

    うえすぎ・てんてんう

     1973年生まれ。語学留学のため来日し、定住ビザを得てその後に帰化。クリニックで働く傍ら、労働組合書記長として、各地のミャンマー人を支援する。