「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    生活文化・最新記事

    コスタリカに学ぼう

    映画監督 マシュー・エディーさん


     「コスタリカの奇跡」という映画を発表しました。70年前に軍隊を廃止し、それ以降非武装体制を貫いてきた国、コスタリカについてのドキュメンタリーです。

     1948年、政敵との闘いに勝利したホセ・フィゲーレス大統領は、「兵士の数ほど教師を」をスローガンに軍隊を廃止。社会福祉システムの充実を進めました。医療費を無料にし、国立大学も、試験に合格すれば誰でも無料で学ぶことができるようにしたのです。人々は自国に誇りをもち、国民の幸福度指数も常に上位にあります。

     私が興味深く思うのは、世界有数の危険地帯に位置しながらこうした非武装体制を維持してきたこと。近隣の中米国家は軍隊をもっています。かつて隣国ニカラグアで独裁政権に対して革命が起きたとき、米国は反革命勢力を支援し、コスタリカにも再軍備を迫りました。しかし、当時の大統領は平和的解決のための対話を続け、結果的に和平計画への道筋をつけたのです。

     軍需産業を拡大したいと考える為政者は戦争をロマンチックに宣伝します。「偉大な米国を取り戻す」というメッセージを発するトランプ大統領がいい例です。「偉大な米国」とは何でしょう?

     米国内の貧富の差はかつてなく拡大しています。

     日本には平和憲法があり、積極的に戦争に参加していません。平和を維持するには、平和を愛すること、祝福することが大切です。

     ベトナム戦争中、米国市民は反戦運動を盛り上げることによりニクソン大統領の核兵器使用計画を止めたことがあります。市民の平和を求める気持ちの切実さをこれからも示していきましょう。それが為政者に届けば戦争を放棄することができるのです。

     

    マシュー・エディー

    米国生まれ。サザン・ユタ大学の社会学の准教授。初の映画監督作品「コスタリカの奇跡」(共同監督マイケル・ドレリング)を発表。