「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    生活文化・最新記事

    「貧困の第2波」対策を

    つくろい東京ファンド代表 稲葉剛さん

     7月下旬から新型コロナウイルス感染が再び拡大し、いまや仕事や住居を失う「貧困の第2波」ともいえる状況が広がっています。支援の網からこぼれている人々が多く、年末年始に向けて、緊急に対策を打つ必要があります。

     私たちは6月以降、生活困窮者支援の37団体が集まる「新型コロナ災害緊急アクション」に参加して、生活に困った人たちから相談を受け、駆け付ける取り組みを続けています。相談では、飲食業や宿泊業の倒産・廃業で仕事を失ったというSOSが多く、女性を中心に非正規労働者や、フリーランス、自営業の方々など幅広い人々が困窮しています。

     東京の池袋で行っている炊き出しに集まる人数は通常の1・5倍。他の炊き出し現場も同様の傾向です。

     国は今春、新型コロナによる生活困窮への対策として、社会福祉協議会の貸付金や、家賃支払いを支援する住居確保給付金などを創設。これでなんとかしのいできたものの、貸付金は上限6カ月、家賃の給付金は上限9カ月です。年末・年始にその支援が切れ始めます。

     家賃補助については、期間の延長と要件の緩和、支給額アップ、役所の相談体制拡充が必要です。住まいを失う恐れもあり、公営住宅やみなし仮設住宅などを提供することも求められます。災害被災者と同じ扱いは可能でしょう。

     つくろいファンドでは個室シェルターを都内で59室用意していますが、民間の支援だけでは限界があります。

     政府には生活保護の活用をもっと積極的に広報してほしい。生活保護にはマイナスイメージがあり、利用には心理的ハードルが高い現実があります。テレビCMを打つことも要望したい。

     このままでは、年末が本当に心配です。

     

    いなば・つよし

     1969年、広島市生まれ。自立生活サポートセンター・もやいを経て、14年につくろい東京ファンドを設立。現在、立教大学大学院客員教授も務める。