「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    生活文化・最新記事

    企業は市民との対話を

    「ビジネスと人権リソースセンター」佐藤暁子さん

     世界各地で発生している、企業活動を原因とした人権侵害。私たちは、問題解決に向けて企業と市民の対話を促進することが大事だと考えています。何が起きているかを公表し、企業に回答・説明を求める中で企業の説明責任を担保し、社会がよりよい方向へ発展するよう支援するといった活動です。

     リソースセンターは2002年に設立された国際NGOで、本部は英国。約1万社を追跡して情報を発信しています。

     深刻な強制労働や環境破壊といった人権侵害について、市民グループからも報告が寄せられます。当該企業が市民の声を無視する場合には、企業にその声を届け、回答・説明を求めます。

     一筋縄ではいかないことが多いものの、企業からの回答率は上がってきました。それは、人権問題を重視する国際社会の流れがあるためです。投資家や金融機関は企業の人権状況を気にしています。投資・融資に当たって私たちの情報が参考にされることもあり、一定のプレッシャーになっているのは確かでしょう。企業にとって人権軽視は経営上のリスクにもなるということです。

     企業と人権の問題に対処する上で、労使の対話はとても大切です。ただ、事業が国際的なサプライチェーンを通じて広がっている昨今、企業内だけの対話ではなく、幅広い視点と情報を踏まえた対応が求められます。

     私は弁護士業務と並行して今年6月、リソースセンターの日本プログラムコーディネーターに就任しました。人権問題への関心は、小学校以来、カトリック系だったためでしょうか。学校で途上国の状況を聞くことで、国際社会に関心を抱くようになったことが影響しているのかもしれません。

     

    さとう・あきこ

     弁護士。タイにある国連機関でビジネスと人権プロジェクトに従事した後、2018年から日本で活動。NPO法人ヒューマンライツ・ナウ事務局次長