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    「トランプの米国」へ旅して

    映画監督 リラン・バクレーさん


     私の故郷の米国は、武力で自由を勝ち取り、英国の支配から独立しました。それが米国をだめにしたと思います。戦争により建国された米国は戦争をやめられなくなった。その結果として、日本の沖縄などに多大な基地負担を押しつけています。

     先日発表したドキュメンタリー「松元ヒロが旅するトランプのアメリカ それでも夢はある HOPE」では、そうした米国の歴史を描きました。

     

    ★暴力の連鎖、止めよう

     映画の中で米国独立戦争研究所(通称シンシナティ協会)が出てきます。これは初代大統領であるジョージ・ワシントンが創設した施設。「戦争は自由を守る素晴らしいものだ」とアピールするためのものです。米国が過去に行ってきた戦争についての資料展示などを行っており、私が映画の下準備のため見学したときは、第一次世界大戦時、米国の母親たちが息子を送り出したことを讃える展示が行われていました。今でもこの施設は独立戦争時の士官クラスの子孫により維持されています。

     映画にはヒロさんが、銃乱射事件の被害者遺族と交流する場面もあります。トランプ大統領就任以後、米国では銃乱射事件が頻発しています。しかし、大統領は銃規制を強化しようとしません。それどころかユダヤ人礼拝所で11人が殺された事件では「警備員が銃を持っていればよかったのに」とまで言いました。

     トランプ氏は中距離核戦力全廃条約からの離脱も表明しました。このままでは日本に核ミサイルが置かれるかもしれません。

     そうならないように日本の平和憲法の素晴らしさを世界に訴えましょう。次は憲法9条についての映画を撮りたいと思っています。

     

    りらん・ばくれー

    1964年米国テキサス州生まれ。日本在住。青山学院大学で英語講師をつとめるかたわら、ドキュメンタリー映画『ザ・思いやり』シリーズなどを監督。