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    「ベルばら」50年、創造活動多彩に

    漫画家・声楽家・歌人 池田理代子さん

     優雅にして勇壮な作画、愛と革命の名言の数々。池田理代子さんが、18世紀末のフランス革命を舞台にした壮大なスケールの「ベルサイユのばら」を少女漫画誌で世に問うて今年がちょうど50年です。

     各種単行本の発行部数は累計2000万部以上、宝塚歌劇で舞台化もされ再演を繰り返し観客動員数は500万人超。「ベルばら」は社会現象になり、漫画への蔑(さげす)み、漫画界での原稿料などの女性差別に波紋を投げかけました。

     しかも主役のオスカルは男装の麗人。王室守護の近衛兵でしたが衛兵隊員になり、王侯貴族の横暴への不満を爆発させた市民たちに共鳴して衛兵隊を率いて市民の側に立ち革命へと導きます。漫画界でも社会的にも男女の垣根を取りはらう先駆となりました。

     「世の男女格差と言うことを意識して書いたものではありませんが、いろいろな意味で一石を投じる結果にはなったのではないかと思います」(池田さん)

     いまも創造意欲は多岐に渡ります。第一歌集『寂しき骨』を出版、ソプラノ歌手としても活躍します。

     「いずれは文学で、と少女のころから憧れていました。歌人として第二集まで漕ぎつければ、という気持ちです。歌に関しては昨年フィンランドで初演された私のオリジナルオペラ『眠る男』を、日本でも上演したいと思っています」

     

     いけだ・りよこ

     大学在学中の1972年に「ベルサイユのばら」を『マーガレット』に連載開始。80年『オルフェウスの窓』で日本漫画家協会賞優秀賞受賞。95年、47歳で東京音楽大学声楽科入学、卒業後はソプラノ歌手として舞台に立ちオペラの演出も手掛ける。2009年フランス政府からレジオン・ドヌール勲章を授与。塔短歌会会員。