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    スポーツ・ライター玉木正之のスポーツ博覧会(121)

    オリンピックより新型肺炎の蔓延阻止が大事なはず!

     コロナウイルスによる新型肺炎COVID‐19の感染が止まらない。そこで7月24日開幕の東京五輪・パラリンピックも開催できるのか心配になる。

     東京オリパラ組織委の森喜朗会長は2月13日、「中止や延期は検討していない」と断言した。しかし、日本が世界中から中国に次ぐ第2の感染国と見られ、終息宣言が五輪開幕後にずれ込むことも予想されるなか、この発言は気楽過ぎはしないか?

     同じ日にIOC(国際オリンピック委員会)のJ・コーツ東京五輪調整委員長も「WHO(世界保健機構)から大会を中止したり延期する必要はないとの助言をもらった」と発言。しかしWHOは「大会に関する助言はしていない。五輪を中止するか否かの判断は主催者が行う」と、翌日コーツ発言を否定した。

     森・コーツ両氏の発言からは、何としてでも五輪大会を開催するという大前提が存在しているように思える。

     COVID‐19の蔓延に関して厚労省は「不要不急の集まりは控えるよう」と注意を喚起したが、スポーツや文化は「人生の飾り」だ(作家・虫明亜呂無氏の言葉)。つまり「飾り」のない「人生」は味気ないが、「飾り」がなくても人生はなくならない。一時的に「飾り」を失っても、再び「飾り」を身につけることは可能だ。

     そう考えるなら、東京五輪・パラリンピックを開催することに全力を注ぐとしても、COVID‐19の影響で大会を中止、あるいは3カ月後か1年後に延期することも、当然視野に入れた様々な対処法(新たな計画)を考えておくべきだろう。

     今回の状況は多くの人命に関わる事態である。スポーツは本来「不要不急の人生の飾り」。そのことを忘れず、五輪以外の大相撲やセンバツ野球にも対処してほしい。