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    スポーツ・ライター玉木正之のスポーツ博覧会(104)

    続出するスポーツ界パワハラ事件の元凶は読売巨人軍?

     日本のスポーツ界の不祥事が後を絶たない。日大アメフト部の悪質タックル事件のあと、バドミントンのコーチが金銭の不正使用疑惑で所属企業から解雇されたり、日大チアリーダー部や日本ボクシング連盟のパワハラ事件が続いたと思ったら女子体操界やウェイトリフティングにもパワハラ事件が発覚。バスケットボールの日本代表選手がアジア大会開催中のジャカルタで買春行為で処分されたり…。

     東京五輪を2年後に控え、この事態はけっして悪いことではない。ウミは出しきったほうがイイのだ。ただし、膿を出し切るには、事件の本質を的確に指摘し、それが改善されなければならない。

     たとえば女子体操、女子レスリング、ボクシングのパワハラ事件は、一部の権力を握った指導者が、朝日生命体操クラブ、至学館大学、奈良県ボクシング連盟や芦屋大学ボクシング部といった個々の組織と「一体化」し、各々のスポーツ界全体を支配する構造がパワハラを生み、選手の活動を妨げたといえる。

     この構造は、実はプロ野球界と読売巨人軍の関係に瓜二つなのだ。巨人はプロ野球界を創設した最古の球団で、親会社の読売グループの「力」を背景に、プロ野球界を支配してきた。他球団から有力選手を引き抜き、新人選手獲得にはドラフト制度の抜け穴を利用。一部の球団やジャーナリズムがそのやり方を非難すると、別組織の創設などと主張して恫喝。自らのマスメディアも利用して反対意見を押さえ込んできた。

     それらの横暴も、プロスポーツは興行組織ということで見逃されてきた。が、スポーツ界にプロとアマの区別など存在しなくなった今日、個々の組織の一つが全体を支配し利益を独占しようとする構造こそ改められるべきだろう。