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    スポーツ・ライター玉木正之のスポーツ博覧会(137)

    「五輪貴族」と「招待客」優先の東京五輪でコロナ感染はどうなる?

     6月19日東京五輪出場のため来日したウガンダ選手団9名から2名の新型コロナ陽性者が出た。しかも感染力の強いインド型デルタ株だ。

     五輪選手や関係者は「バブル(泡)」と呼ばれる範囲内で行動。外部との接触はなくすのが当初の計画だった。だが、空港での陽性者1名を除く8名の選手がキャンプ地の泉佐野市にバスで到着。その後新たに1名の陽性が判明し、選手全員とバス運転手や市の職員など7人が濃厚接触者として隔離された……。

     これで「バブル方式」なる東京五輪のコロナ対策の全く機能しないことが判明した。

     もちろん組織委は今後「改善」を重ね、五輪の感染拡大を最小限に食い止めるつもりだろう。が、その後の組織委の動きからも、どう贔屓目に見ても、安全安心な大会の開催が可能とは思えないのだ。

     東京の感染者数が下げ止まりから反転して増加の兆しを見せているのに、なぜ「無観客開催」ができないのか?

     それは国際オリンピック委員会(IOC)関係者やスポンサーの招待客だけでも1万人近くいるから、「無観客」を宣言しても大勢の人々がVIP席や観客席に座ることとなり、テレビを見た人が首を傾げる(それどころか怒り出す)ことになりかねないからだという。だからバランスを取るため一般の観客も入れる……ということらしい。

     さらに一時、五輪会場での酒類の販売が検討されたのもVIP席や招待席では酒が出されるのが恒例で、これも一般客とのバランスを取るためだった。

     つまり東京五輪は日本のコロナ感染防止より、IOC関係者(五輪貴族とも呼ばれる!)や、スポンサーの招待客が五輪を楽しむことを優先しているのだ。開幕直前の今こそIOC・組織委・政府の「やり方」に注目すべきだろう!