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    雇用の更新回数は設定せず                       東京・江東区の非常勤職員/会計年度任用職員への移行で

     東京都江東区は来年4月にスタートする会計年度任用職員制度について、今働いている非常勤職員が移行した場合は雇用(任用)契約の更新回数に上限を設けないことで労使合意した。東京公務公共一般労組が7月2日付機関紙で明らかにした。

     

    ●提案は国会決議違反だ

     

     改正地方公務員法で会計年度任用職員の任用は「1年」とされている。ただし、再度任用(事実上の契約更新)は可能だ。その際、更新回数を規定するかどうかが、少なくない自治体で検討課題になっていた。

     東京都の特別区(23区)区長会は更新回数を設ける意向を表明し、昨年末には設定の是非を含め具体化は各区に委ねることとした。江東区は今年2月、更新回数を4回(5年間任用)とする提案を行い、公共一般労組江東支部と交渉を続けてきた。

     江東支部は「会計年度任用職員制度創設の目的は劣悪な労働条件と不安定雇用の改善だったはずで、国会決議にも明記されている。更新回数上限は非正規職員に雇用不安をもたらす象徴的な制度であり、国会決議が禁じる不利益変更そのものだ」と、区の提案を批判。国会答弁で総務省が一貫して上限回数設定に否定的な見解を表明していたことも指摘し、提案撤回を強く訴えた。

     

    ●悪魔の制度、復活反対

     

     江東区ではかつて、学童クラブ指導員が上限回数3回まで(原則4年で雇い止め)とされていた。支部が約10年の運動を経て2009年に撤回させた経験があり、「同じような悪魔の制度の復活を許すわけにはいかない」と反対運動を強めた。

     組合員は交渉などで、更新回数上限が住民サービスにマイナスの影響を及ぼすことを訴えた。「スキルアップの研修も自己負担で受講してきた。4~5年の入れ替わりでは、培ったノウハウもリセットされてしまう」(文化財主任専門員)、「業務には高度な専門性が必要で、一人前になるには数年かかる。そのたびに入れ替えられたら、組織的に専門性を蓄積できない」(婦人相談員)。

     

    ●スト構え当局を追及

     

     支部は上限回数撤回に絞った署名を展開。千枚近いビラ宣伝を数回行い、ストライキを通告しながら交渉を続けた。

     その結果、5月末になってようやく労使合意に至った。原則として、更新回数上限は4回としつつ(1)国家資格などが必要で人材確保が困難な職種の場合は7回を限度とする(2)来年3月末時点で働いている非常勤職員には更新回数を適用しない――という内容だ。

     一方、非常勤職員ではない「臨時職員」や、来年4月以降に新しく雇われる非正規職員については、移行後、4回か7回の上限が適用される。この点で丹木幸美支部長は「上限期間が来た場合の再応募は当然可能。上限を超えて以降の雇用確保については、かつて私たちが学童クラブで取り組んだ経験がある。組合に結集して闘いましょう」と訴えている。