「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    2016年

    9月

    23日

    「権利後退の危険大きい」/全労働が見解/雇用仲介事業見直しに警鐘

     労働政策審議会職業安定分科会の部会で審議がスタートした、雇用仲介事業見直しのたたき台となる有識者検討会報告(6月)について、労働行政の職員らでつくる全労働がこのほど見解をまとめた。職業紹介事業に対する規制緩和が多数含まれていることに警鐘を鳴らし、「求職者の権利を後退させる危険が大きい」と指摘。雇用仲介事業での労働者の権利保護の規制を求めたILO(国際労働機関)条約・勧告の具体化を図るべきと提言している。

     検討会報告は、虚偽求人への罰則など求職者保護を図る規制だと報じられているが、報告書は職業紹介事業の規制緩和に関する提言が大半を占める。その多くが人材会社のビジネスチャンスを広げる内容だ。

     見解は総論部分で、人材会社にとって求人企業は重要な「顧客」である点を指摘。「人材あっせんに際しては求人側の意向が反映しがちで、性や年齢による差別、容姿などの差別も散見される」と弊害面に触れている。

     その上で、「求職者保護の観点を重視する姿勢はうなずけるものの、求職者の人権を尊重し、差別禁止や公正採用を求める規制に関する記述は十分ではない」としている。

     見解は、重要とみられる各論点について、その問題点を指摘している(表)。