「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    2016年

    10月

    13日

    「大学にとっても損失です」/非正規職員の雇い止め/首都圏で働く女性が訴え

     東北大学の無期転換ルールを無視した「5年で雇い止め」の撤回を求める集会(10月11日)では、首都圏の国立大学で非正規職員として働いている50代の女性が発言し、雇い止めを宣告されている現状について語った。東北大学と同様の脱法行為が他大学でも進行している実態がうかがえる。発言の要旨を紹介する(文責・編集部)。

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     今の職場に務めて8年目です。以前勤めていた別の部署を含めると、延べ13年務めています。1年契約で上限は3年でしたが、公募に受かれば継続して働くことが可能でした。

     改正労働契約法が施行される直前の2013年3月、「無期転換の説明会をする」と言われて行ってみると、「就業規則を変更したので、5年で雇い止めになる」と告げられました。最初何を言われているのか分かりませんでした。質疑応答で手を挙げ「なぜ法の趣旨と違うことをするのか」と質問すると、「財源がないから」と言われました。

     納得できず職員組合に訴えましたが、話を聞いてくれるだけ。学長にメールしても無視されました。

     

    ●私は辞めない

     

     若い職員は「こんな未来のない職場にはいられない」と転職していきました。でも私はシングルマザーで年齢もある程度高いので、ここで踏ん張るしかないと思っていました。しかし大学の不誠実さや冷酷さに失望し沈んでいました。

     そんななか今年の6月に新聞で東北大学の雇い止めの記事を読み、「がんばっている人もいる。私もまだ何かできるのではないか」と思い、再度学長にメールを出しました。先日首都圏大学非常勤講師組合に加入し、これから団体交渉を予定しています。職場のなかで同じ思いをしている仲間にも声を掛けようと思います。

     

    ●雇い止めは浅はか

     

     今回のような雇い止めは大学の損失だと思います。長く務めた人には、対人関係や経験などマニュアル化できないものが蓄積され身についています。研究者が事務作業に追われることなく研究に専念できるためにも、ベテラン職員のサポートが重要です。

     大学が職員を雇い続けることのメリットに目を向けずに、将来的な(財源の)負担のことだけで一律雇い止めをするのは、浅はかではないでしょうか。