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    2016年

    10月

    25日

    沖縄レポート/自治と基地を考える/日本環境会議を取材して

     10月21日から23日まで、日本環境会議沖縄大会が沖縄国際大学を会場に開催された。毎年全国各地で開催されており、今年で33回目。沖縄では20年ぶり3回目の開催だ。名護市辺野古への米軍新基地建設問題、米軍北部訓練場がある東村・国頭村でのヘリパッド建設問題で揺れ、国から裁判に訴えられた沖縄県が敗訴するという状況の中で、「環境・平和・自治・人権―沖縄から未来を拓く」がテーマである。沖縄で環境問題を考える時、基地問題を中心に据えざるを得ない状況があり、特に自治の問題に焦点が当てられたことが今回の特徴だろう。

     

    ●自己決定権を侵害

     

     単に自治体はしっかりしろとか住民運動を頑張ろうという話ですまないところが、沖縄の状況だ。日米両政府の米軍基地押しつけ政策は、沖縄の地方自治を無視し、選挙で何度も示された民意を踏みにじって、県外から大量の機動隊員を動員するなどして、強行に進められている。

     自衛隊配備も、ほとんど情報が開示されないまま、政府に追従する首長や議員らによって密室で進められている。このような中で自治体はどうあるべきなのか、住民運動はどうすべきなのか、という問いである。

     次代を担う若者たちが学び合い交流しようと設けられた「青年と環境」分科会を含む六つの分科会で、世界的視野の中で沖縄を見詰める議論が深められた。23日には6分科会の議論を踏まえてシンポジウムが行われ、7項目の提言を盛り込んだ大会宣言が採択された。

     宣言では「自治体の意思に反し、自治体はおろか政府さえも規制ができない米軍基地の建設・提供を強行すること、そして現に生じている環境破壊と人権侵害を放置することは、民主主義国家として到底許されるものではない」と指摘。

     さらに、国際人権法上確立している権利であるマイノリティー(少数者)の集団としての自決権に言及し、「米軍基地はもとより琉球弧(沖縄を含む南西諸島群)への自衛隊配備は、軍事利用の強制であり、沖縄の人々の自己決定権を侵害するものである」と強調した。そして近代日本による琉球の事実上の植民地化という歴史的不正義を指摘し、国連先住民族権利宣言に基づく自己決定権の問題を、「日本の近現代史を検証しつつ日本全体で議論が行われることが必要である」と主張した。

     

    ●メディアの姿勢も批判

     

     1979年に設立された日本環境会議は、学者だけでなく、弁護士、ジャーナリスト、市民運動家らが結集し、日本の環境保護活動を牽引してきた。著名な研究者らが集い、最先端の議論が行われたのに、大会終了後の記者会見に県外から出席したのは全国紙記者一人だけだった。沖縄で自治を考える時、このようなヤマト(本土)の側の沖縄へ無関心、無視を直視せざるを得ない。

     大会宣言とは別に提起され承認された「青年と環境」分科会の宣言文には次のような一節がある。「アジア、特に東アジアを殺戮(さつりく)や戦争による経済利益を貪(むさぼ)る『軍産官学報複合体』(報はメディア)の餌食にさせてはならない。このような複合体に煽られ、近隣諸国と軍拡を争うのではなく、環境分野をはじめとして隣国の人々と協働することが重要である」

     軍産複合体にメディアも加わり、沖縄を餌食にしているという認識である。これをどう受け止めるか。高江での「土人」発言とともに考えなければならない。(ジャーナリスト・米倉外昭)