「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    2017年

    1月

    12日

    Q&A/基本給で現行格差を容認/同一賃金ガイドライン案

     Q 安倍さんが非正規労働者の処遇を改善しようとしているんだって?

     A 「同一賃金ガイドライン案」のことだね。昨年末に発表された。長時間労働対策と併せて、3月までに実行計画をまとめ、早ければ通常国会終盤での関連法案提出をめざしているという。

     Q どんな内容?

     A 食堂や更衣室利用、慶弔休暇の有給保障など福利厚生については正社員と同一処遇を進め、手当も条件付きだが同一処遇を進める内容。だが、給与の大部分を占める基本給については極めて限定的で、勤務地変更や責任の有無、キャリアコースにより、現行の格差を容認する中身だ。

     Q 賞与が出ると聞いたけれど…。

     A 案では、「会社の業績などへの貢献」に応じて支給する場合にだけ、言及している。貢献が同じであれば同一に、違いがあれば相応の支給をすべきとしている。ただ、効率や品質目標などに関する責任などの有無を理由に、非正規労働者に支給しないことも認めている。抜け道が用意されているわけだ。

     Q 強制力はあるの?

     A 「ガイドライン案」に沿って、労使による企業内でのルールづくりを求めている。強制力はなく、格差が合理的かどうかについての使用者の説明義務もない。案自体は、法改正後に効力が発生する。

     Q 期待したほどでもないのか。

     

     A 政府の方針は「世界で一番企業が活躍しやすい国」にするための生産性向上が目的。非正規労働者の生活向上ではない。同一報酬を定めた国際労働機関(ILO)の条約など、国際基準への言及もない。実効ある内容にすることと、有期雇用規制など不安定雇用そのものをなくすルールづくりが必要だ。