「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    2017年

    2月

    18日

    Q&A/過労死ラインでは有害/大詰め迎える残業規制論議

     Q 政府が長時間労働対策をやるんだって?

     A これ以上残業をさせてはならないという上限規制を検討している。2月14日に、36協定で認められる限度を月45時間、年360時間とし、違反には罰則を設けた上で、臨時的で、特別の事情がある場合は例外として年720時間(月平均60時間)を限度とする事務局案が示されたんだ。

     Q 月60時間残業でも結構しんどいんだけど。

     A 法定時間外の割増率が25%から50%に引き上がるラインだね。繁忙期についてはさらに例外を設ける。数字は示されていないが、事前の報道では、過労死が認定される基準の月80時間や月100時間という数字が浮上した。

     Q ないよりはまし?

     A 月80時間もの上限は「有害無益だ」という声もある。過労死が危惧される時間まで働かせていいというお墨付きを与えることになるからね。国の過労死防止対策とも矛盾する。

     Q 休息時間規制は?

     A 事務局案にはない。厚生労働省の検討会では、使用者に義務付ける規制は入っておらず、労使の努力を促す内容だった。

     Q 議論はどんな状況?

     A 労働側は過労死認定基準並みの設定に反対している。経済界は、経済同友会の代表が「残業代ゼロ制度」導入を上限規制の前提条件にすべきとし、過労死ラインの「2~6カ月平均で月80時間」を認める内容の意見を表明している。

     Q まとまるかな?

     A 安倍首相は「合意を形成していただけなければ法案は出せない」と語気を強めたという。3月末に向けて調整が強められるだろうが、「働き方改革実現会議」で労働側の委員は連合会長1人だけ。多勢に無勢だ。尻抜けの上限規制ではだめだという声を強めなければならない。