「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    2017年

    4月

    04日

    張り紙掲示は名誉毀損/引越社争議で名古屋地裁/組合への支配介入も認定

     「アリさんマーク」で知られる引越社の労働者いじめと組合つぶしが裁判で断罪された。名古屋地裁は3月31日、プレカリアートユニオン(全国ユニオン加盟)組合員の元社員を「要注意」人物として全店舗に顔写真入りの張り紙を行うなどした事件について、名誉毀損(きそん)と認定し同社に400万円の賠償を命じた。同時に組合に対する不当労働行為(支配介入)も認めた。

     東京の引越社関東では、シュレッダー係をさせられている男性も張り紙を掲示され、不当配転や残業代不払い問題で係争中だ。

     名古屋のケースで同社は、組合員の男性に対し全店舗で「勧誘行為に気をつけろ!要注意」と大書した顔写真入りの張り紙を掲示した。これが名誉毀損に当たるか、組合活動を嫌悪した支配介入に当たるかどうかが争われた。

     勧誘行為とは、男性が行っていた副業を指すが、違法性がなかったことは判決も認めている。同社は張り紙をした理由として「従業員への勧誘防止のため」と主張したが、労使が対立状態にあったことなどから、会社側の言い分を却下。こう指摘した。

     「被告による本件掲示行為の主たる動機は、原告の社会的評価を低下させることをもって、被告及び被告グループ会社の従業員が原告ユニオンに参加することを抑止すること又は既に原告ユニオンの組合員であった者と原告ユニオンとの信頼関係を低下させることにあったというべきである」

     その上で、張り紙は「原告ユニオンの活動を妨害し、又は、原告ユニオンの組織の弱体化を図るという被告の意図が推認できる」と述べ、ユニオンは同社による支配介入によって団結権侵害の損害を被ったと認定している。