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    「改憲反対」と5万5千人/東京で集会/安倍政権打倒をアピール

     70年目の憲法記念日(5月3日)、東京の有明防災公園で5万5千人を集めて憲法集会が開かれた。幅広い団体でつくる集会実行委員会が主催。改憲に反対するとともに、戦争法の廃案、共謀罪創設法案阻止、沖縄の米軍基地建設反対などをアピール。市民と野党が力を合わせて安倍政権を打倒しようと訴えた。

     集会の名称は「いいね!日本国憲法―平和といのちと人権を! 5・3憲法集会」。平和フォーラムや憲法共同センターなどが、それまで別々だった憲法集会を2年前から一緒に開いている。

     

     

    ○集会での訴えから

     

    壇上で訴えた政党代表や識者の発言から、ハイライト部分を紹介する。

     

    ○憲法の光、いまだに当たらず/「沖縄の風」の伊波洋一幹事長

     

    沖縄は45年前、日本に復帰した。だがいまだに憲法の光は米軍基地の陰で遮断されている。

     

    ○自民党改憲草案は許せない/ファッション評論家で歌手のピーコさん

     

     今度、自民党の改憲草案(2012年)はこんなにひどいという内容の本を出す。草案には国防軍創設などが書かれていて、憲法を守らなくてはならない人たちが今の憲法を尊重しようとしておらず、許せない。

     

    ○軍事研究させない運動を/世界平和アピール七人委員会委員の池内了さん

     

     

    (防衛省が力を入れている)委託研究制度は、カネで研究者を釣り上げ、軍事・軍備の開発をさせるのが狙いで、断固反対だ。大学が応募しない、させない運動を進めていく。

     

    ○若者に伝えていこう/日本劇作家協会前会長の坂手洋二さん

     

     (現憲法の下で)私たちは人を殺すことを拒否してきたはず。戦争体験のある人がいなくなりつつある。私たちは勇気を持って(体験などを)若い人たちに伝えていこう。

     

    ○国民は国家の道具ではない/弁護士で伊藤塾塾長の伊藤真さん

     

     一人一人の命、幸福のために国はあるのだという考え方が、大きく変えられようとしている。国民を国家の道具にするのは、もうやめてほしい。

    ○総理のための改憲に反対/民進党の蓮舫代表

     

     安倍さんは憲法を変えるというが、口を開くたび、どこを変えるのかを変えている。総理の総理による総理のための改憲には反対だ。

     

    ○総理の存在自体が憲法違反/自由党の森ゆうこ参院議員団会長

     

     安倍総理の存在そのものが憲法違反だと思う。2013年6月26日には安倍総理への問責決議案が可決された。(予算委員会への出席を拒否し、欠席するという)憲法63条違反の暴挙があったため。今も国会をないがしろにしている安倍内閣にノーを突きつけよう。

     

    ○変えるべきは安倍政治の方だ/日本共産党の志位和夫委員長

     

     0年間、憲法を変えてこなかったのは変える必要がなかったことの証明だ。変えるべきは憲法ではなく、憲法をないがしろにする政治の方ではないか。

     

    ○「活憲」の一大国民運動を/社民党の吉田忠智党首

     

     今大事なのは憲法を変えることではなく、生かすこと。「活憲」の一大国民運動を展開しよう。

     

    ○原発と基地をなくすことこそ/作家でクレヨンハウスを主宰する落合恵子さん

     

     市民にとっての安全保障とは、テロの対象になりかねない原発をなくすこと、米軍基地をなくして主権在民と平和主義を育てていくことだ。