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    休息時間保障などで前進/UAゼンセン/中小、前年比プラスを維持

     UAゼンセンが5月17日に発表した春闘妥結状況(4月末現在)では、勤務間インターバル規制(休息時間保障)や、65歳への定年延長など、労働条件に関する制度改善の成果が複数報告されている。賃上げでは、前年と比較可能な中小組合で前年プラスを維持。「底上げ・格差是正の取り組みが続いている」と評価した。

     社会的に関心の高い勤務間インターバル規制では、流通部門の8組合で制度を新たに導入し、2組合が、休息時間を8時間から11時間に延長するなどの見直しを行うことで労使が合意したという。労働時間短縮の課題では21組合が前進回答を獲得。年間所定労働時間の短縮は18組合で平均10・3時間、年間休日は同平均1・6日増となった。

     定年制度の改定では、112組合が65歳定年制を、3組合が定年制の廃止を要求。結果、3組合が65歳定年制導入にこぎ着け、37組合が同制度導入に向けた労使協議を開始する。

     そのほか、育児・介護休暇の有給化など、育児・介護関連では13組合が制度改善で合意したほか、有期雇用労働者の無期契約への転換を改正労働契約法の発動(来年4月)を前倒しして行うことを確認した組合も1組合ある。

     

    ●中小はプラス179円

     

     賃上げも健闘している。正社員では955組合の妥結額は単純平均で4727円。前年と比較可能な911組合で40円のプラスだ。特に300人未満の中小574組合で前年を179円上回るなど、「中小組合での底上げ・格差是正の取り組みが続いている」と評価している。