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    立憲主義破壊に声上げよう/市民連合が緊急会見

     謀罪法案採決に反対する緊急記者会見を開き、「安倍政権の立憲主義破壊について市民運動がノーを突きつけなければならない」と呼び掛けた。

     安倍首相が憲法9条に3項を加えて自衛隊を明記するよう提起したことについて、山口二郎法政大学教授は「伝統的な自民党の改憲論議をも無視した内容。市民や野党を分断するためであり、議論に乗っては相手の思うつぼ。立憲主義破壊にノーを突き付ける必要がある」と述べた。

     「市民連合みえ」メンバーで沖縄・高江のヘリパッド基地建設の抗議行動にも参加してきた岡歩美さんは、「高江では反対集会に参加しているだけで警察から写真を撮られる。長期に不当勾留された沖縄平和運動センターの山城博治さんは、そうした写真を見せられ、だれが共犯者かを追及された」と指摘。「共謀罪成立でこうした捜査が全国的に広がるかと思うと本当に怖い」と話した。

     上智大学の中野晃一教授はこう訴えた。

     「明らかに立憲主義がないがしろにされているが、メディアはそれを伝えることができない。(異常さを認識できない)正常性バイアスが働いているように思う。今の国会運営を見てなぜ『国会崩壊』の見出しを打てないのか。『王様は裸だ』と報道すべきだ。今こそ声を上げて立憲主義や民主主義を守らないと未来の世代に対して顔向けできなくなる」