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    警察官への人権教育を/共謀罪の乱用防止策が必要

     共謀罪法の成立によって、国民への監視の強まりやプライバシー権の侵害が心配されている。乱用・悪用をどう防ぐか。法の廃止は今の政治状況では当面無理。そこで考えてみた。

     

    ●団結権が無理でも

     

     警察職場に人権の風を吹かせるというのはどうだろう。団結権もなく、理不尽な命令でも上意下達の職場環境の中でまかり通る現状の改善である。自分の人権が保障されていない人々が、他人の人権を尊重できるとは思えない。警察官にこそ人権保障が必要だ。

     団結権保障はハードルが高いとしても、人権教育を義務付けることはできる。

     日本の公務員は任用(採用)時に憲法順守を誓い、署名することになっている。ただ、守るべき憲法の内容を詳しく教えられてはいない。関東地方のある市職労OBに尋ねたところ、「憲法の研修なんて受けた覚えはない」という。どこの公務職場も同じだろう。

     かつて、自転車で早朝アルバイトに向かう途中、連日のように警察官に呼び止められ、防犯登録をチェックされたことがある。件数稼ぎのためだったのかもしれないが、とにかくしつこかった。迷惑であり、腹立ち紛れに「憲法の人権規定では…」と口にしたとたん、逆ギレされた。ああ、この人たちに「憲法」の言葉は禁句なのだと知った。しかし、それでいいとは思えない。

     国民との接点が多く、権力行使に携わる公務職場ほど、人権教育が求められる。共謀罪法成立の機に、警察官には1カ月くらいかけて憲法に基づく人権教育の実施を求めたい。

     人々に信頼される警察づくりにも寄与するし、国民との良好な関係が築ければ、テロ対策としても効果を発揮するのではないか。

    (伊藤篤)