「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    最低生計費は月23万円前後/全労連が16都市で調査/都市も地方もほぼ変わらず

     全労連は6月22日に会見を開き、全国13道府県の16都市で行った最低生計費調査の結果を発表した。「普通の暮らし」をするには、25歳単身者で月22~24万円が必要との結果になった。時給に換算すると1300~1400円(月173・8時間の場合)に相当する。全労連は「現在の地域別最低賃金823円(全国平均)ではとても暮らせない。都市部と地方とで生計費にほとんど差がないことも明らかになった」と指摘。こうした実態を踏まえた最賃引き上げが必要と訴えている。

     

    ●地方では自動車が必要

     

     調査は、2015~16年に各地方労連が行った。人並みの暮らしをするために何が必要かを調べ、食費や持ち物、住居、旅行、外食などの項目を一つ一つ精査して費用を積み上げた。スーツなどはその地方の最も安い店で買ったケースを想定している。

     その結果、生計費は月額で税込み22~24万円となった。住居費が異なる、都市部と地方とでほとんど差がないことについて、調査に関わった中澤秀一・静岡県立大学准教授は「交通手段の違いが大きい。都市部は公共交通が発達しているが、地方では自動車が必要になる」と説明している。寒い地方では暖房費もかさむ。

     竹信三恵子・和光大学教授は「非正規労働者の賃金を上げるには、最賃引き上げが必要。デフレ脱却を真面目に考えるなら、避けて通れない課題だ」と指摘。政府が進める長時間労働是正などの働き方改革についても「残業が減ったら暮らせないという状況を改善すること。8時間労働で普通に暮らせるよう賃金を上げるべきだ」と訴えている。

     

    ●全国一律を求める

     

     全労連は今回の調査結果を踏まえ、全国一律最賃の実現を広くアピールしていく考えだ。

     徳島労連の森口英昭事務局長は「橋を渡って兵庫県の淡路島へ行けば最賃が100円以上高い。これでいいのか」と問うた。

     岩手労連の中村健事務局長は「10年前には東京との最賃格差は109円。昨年は216円に拡大した」と指摘し、こうした格差を放置すれば地方は疲弊すると訴えた。

     3月の岩手県議会では、最低賃金改正などに関する意見書を採択。全国一律最低賃金制度の確立や地域間格差を縮小させるための施策を要望した。山形県の「平成30年度 政府の施策等に対する提案」の中でも最賃のランク制見直しや全国一律の適用、中小・小規模事業者への支援充実を求めていることを紹介した。