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    地方公務員の残業代が過少?/時間単価の計算方法/総務省は労基法準拠求めるが…

     残業代を計算する際に欠かせないのが時間単価だ。民間労働者の場合、労働基準法に基づき所定賃金を所定労働時間で割って算出する。ところが、地方自治体の中には労働時間がより長い「国基準」で計算しているところが少なくない。結果として残業代は過少計算される。総務省の担当者(公務員課給与能率推進室)は「地方公務員は(時間外労働に関して)労基法適用なので労基法の計算方法でやってくださいとお願いし、助言もしている」という。自治体での計算方法をあらためてチェックしてみる必要がありそうだ。

     正規公務員の所定労働時間は週38・75時間。国基準は、これに52週を掛けた2015時間を年間労働時間としている。一方、労基法に基づく民間基準は所定労働時間で計算することになっている。公務員に当てはめれば、2015時間から祝日と年末年始休暇の計21日を差し引いた1852時間だ。

     仮に月額給与20万円(年間240万円)のケースで計算すると、時間単価は国基準が1191円、民間基準が1296円と、大きな差が出る。

     この問題を追及している神奈川労連の住谷和典副議長は「そもそも所定労働時間を使わない国の基準がおかしい。民間準拠といいながら、なぜ民間の計算方法を適用しないのか」と憤る。同労連は人事院関東事務局に、民間の計算方式を採用しない理由を尋ねているが、「『本院から回答がない。精査中』と言うばかり。回答できないのではないか」とあきれる。

     地方自治体で計算方法にばらつきが出るのは国準拠と民間準拠のはざまで混乱しているからかもしれない。他方、財政上の理由から安上がりの国基準を使いたいためではないかとの指摘もある。ただ、地方公務員は国家公務員と違い、労働基準法の労働時間ルールが適用される(※)。総務省は「まだ2015時間を使っている自治体もあるが、労基法基準への適正化は徐々に進んできたと認識している」という。