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    「改憲は今がチャンス」/右派2団体が終戦記念日集会

     「日本が生き延びるために憲法改正を」「今を逃せば、未来永劫(えいごう)に憲法改正の道は閉ざされる」――終戦記念日の8月15日、右派団体の英霊にこたえる会と日本会議は、東京・九段の靖国神社で集会を開き、改憲に向け気勢を上げた。

     

     日本会議の田久保忠衛会長(杏林大学名誉教授)は主催者あいさつで、現在の国際情勢について「中国の台頭とトランプ米大統領による混乱の時代」と指摘。「憲法改正しなければならない方向に(世界は)動いている。今年ほど(改憲に)近い距離にある年はない」との認識を示した。同じく主催者あいさつした英霊にこたえる会の寺島泰三会長は「今こそわれわれは改正実現に結集するべきだ」とげきを飛ばした。

     

     日本会議は、戦前回帰的な改憲を主張し、草の根の活動を全国で展開。自民党などの国会議員にも大きな影響力を持つ。安倍首相による今年5月の9条加憲案(憲法9条に自衛隊を明記)も、日本会議に連なる学者の発案とされる。英霊にこたえる会は、靖国神社を戦没者慰霊・顕彰の中心に据えるべきという考えの組織。「大東亜戦争は自衛戦争」「侵略戦争ではない」という主張は、日本会議と共通している。