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    「定額使い放題の制度だ」/安永貴夫連合副事務局長/高プロ制、裁量制拡大を批判

     労働政策審議会の審議が行われた8月30日、連合の安永貴夫副事務局長は厚生労働省前の報告集会で「高度プロフェッショナル制度は(残業代が支払われない)定額働かせ放題の制度だ」と厳しく批判した。企画型裁量労働制の適用職種拡大にも「仕事量や目標に裁量がない場合がほとんど」と指摘し、長時間労働の助長につながると警鐘を鳴らした。

     政府が残業上限規制と一本化した法案を臨時国会に提案しようとしていることに対しては「皆さん、おかしいでしょう。長時間労働を助長する高プロ制、裁量制の拡大と、長時間労働を抑制する規制とは真逆の議論。一本化には反対だ」と主張。

     高プロ制について「定額使い放題の制度。労働者はスマートフォンではない。まさにモノ扱いするものだ。『脱時間給制度』や『成果で賃金を決める制度』という報道があるが、そんなことは法案のどこにも書かれていない。『脱時間給』ではなく、(労働時間規制の適用が外される)『脱労働基準』だ」と斬り捨てた。

     その上で「もっと怖いのが年収要件のない裁量制の拡大だ。仕事の段取りや進め方に裁量があったとしても、仕事の量や目標に裁量のない労働者がほとんど。目標を頑張って達成しても、次の期で目標のバーが引き上げられるのは日常茶飯事ではないか。長時間労働に拍車がかかるのは明らかだ」と訴えた。