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    雇用破壊のウーバー阻止を/市民会議と労働弁護団/米国労組招き決起集会とデモ

     アプリによる配車で、脱法的にタクシー事業を展開しているウーバー社(本社米国)。日本への本格的な進出を阻止しようと9月30日、都内で集会とデモが行われた。ニューヨークのタクシー労組代表も参加してスピーチ。「ウーバー社はフルタイム雇用と権利を破壊している。連帯して闘おう」と訴えた。

     集会は、交通の安全と労働を考える市民会議と日本労働弁護団が共催し、400人が参加。「シェアリングエコノミーってなんだ!?」と問い掛けた。

     タクシー労組のニューヨーク・タクシーワーカーズ・アライアンス(NYTWA)のバイラビ・デサイ代表はこう述べた。

     「ウーバーの運転手は個人事業主として扱われ、3大都市圏では諸経費を引くと1日6ドル(約660円)以下の収入だ。サンフランシスコでは車内で寝泊りするホームレスドライバーもいる。同社は600億ドル(約6兆6千億円)もの企業価値があるという。どこがシェアリング(分かち合い)エコノミーなのか」

     デサイ氏は、ウーバー社とだけ闘えばいいのではないと述べ、「新たなビジネスモデルとの闘いだ」と指摘。ITなどを活用して労働者の請負・個人事業主化を進める手法の危険性に警鐘を鳴らした。

     同労組はウーバー社のドライバーも組織しており、昨年8月には州労働省に「ウーバードライバーは被雇用者」と認めさせ、失業保険の受給資格を勝ち取っている。その運動を紹介しながら「まやかしのシェアリングエコノミーと闘おう。皆さんは社会を変える運動の戦士だ」と訴えた。

     労働弁護団の棗一郎幹事長は「日本には既に食品配送のウーバーイーツが入っている。政府はウーバーの本格的な解禁を目指しており、今止めないと大変なことになる」と述べた。