「機関紙連合通信社」は労働組合や市民団体の新聞編集向けに記事を配信しています

    米朝の戦争阻止訴え/護憲大会で識者ら/「東京五輪を平和裏に迎えよう」

     朝鮮半島の軍事的緊張が高まる中、都内で開かれた護憲大会(平和フォーラムなどの実行委主催、10月28日)では、識者らが「米朝間で戦争になれば日本が戦場になる」と警告。2020年に東京五輪が行われる日本には、平和な環境で開催する責任があると述べ、戦争を必ず阻止しなければならないと訴えた。

     歴史学者の和田春樹東京大学名誉教授は、北朝鮮がミサイル開発を続け、日米間が軍事的威嚇を行う先には軍事衝突が待ち受けていると指摘。米朝間の戦争の危険性を指摘した英国王立防衛安全保障研究所の報告書を紹介しながら「戦後初めて日本が攻撃される危機にある」と警告した。

     軍事行動を含む「全ての選択肢」が俎上(そじょう)にあるとのトランプ米大統領の発言を安倍首相が支持したことにも触れ、「東京五輪を安全に開催する責任が日本にはある。米国と一緒に緊張を高めるのではなく、戦争の阻止に全力を尽くさなければならない」と批判。緊張緩和のために日本が間に立って米朝を説得し、さらに日朝間の国交を樹立して、たなざらしとなっている拉致問題や核問題について交渉を始めるべきだと語った。

     軍事評論家の前田哲男氏は「在日米軍基地が最初の出撃基地となり、自衛隊も出撃する戦争になる」と警告。軍事問題に詳しい伊波洋一参院議員は「日本の国土を戦場にしてでも戦う、日米同盟が求めるならばちゅうちょしない、というのが安倍政権の考え方なのだろう」と述べ、米国追従の危険性に注意を促した。