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    2割が過労死ライン超え/医師ユニオンなどの調査/長時間労働の後期研修医

     勤務医でつくる全国医師ユニオンと日本医労連が11月8日に発表した「勤務医労働実態調査2017」(集計速報)で、2年間の初期研修期間を終えた「後期研修医」の約19%が、過労死ラインである月80時間以上の過労死ラインを超えて働いていることが分かった。

     

    ●1カ月の休みゼロも

     

     7~9月末、全国の勤務医にアンケートを実施。集計を終えた1621人分の回答をまとめた。調査は前回から5年ぶり。

     当直のある医師で月80時間を超す残業をしていたのは、後期研修医(約4年)が最も多い18・9%。初期研修中の医師が8・5%、常勤医が7・3%だった。当直を行っていない常勤医でも4・9%が過労死ラインを超えていた。1カ月の休みゼロは、常勤医、後期研修医ともに8%。

     「労働条件について改善してほしいこと」を尋ねたところ(複数回答)、「完全な休日を増やすこと」が約5割で最も多かった。

     医師ユニオンの植山直人代表は「業務が増えたという回答は前回と同じく4割を超え、負担軽減の面で前回からほとんど改善がなかった」と指摘。「長時間労働は医療ミスの増加につながる。労働条件改善のためには完全な休日を確保し、交代制勤務の導入に向け人員を増やすことだ」と訴えた。