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    11月10日以降は年内ただ働き?/英国の市民団体/男女の賃金格差をアピール

     「今日から年末まで、女性はただ働きです」

     11月10日に実施された英国のイコールペイ・デー(同一賃金の日)に合わせて、女性の権利促進に取り組むフォーセット協会がこんな標語を発表した。男性との賃金格差がそれくらいあるというメッセージだ。英政府統計では現在、男女の格差は14・1%。

     2年前からは約1週間分前進したが、以後足踏み状態が続く。このペースでは、格差を完全に解消するにはあと100年かかる。

     一方、米国などではイコールペイ・デーが4月上旬に設定されている。

     英国では、同一賃金法が施行されて40年以上経つがいまだ格差が残る。2年前からは250人以上の従業員を雇う会社に男女の賃金格差を公表することが義務付けられた。

     英ナショナルセンターの労働組合会議(TUC)は「女性という理由で賃金が不当に低いなら、あなたの組合は闘ってくれる。だからみんな組合に入ろう」と訴える。

     フォーセット協会は(1)同僚と給与について話し合うこと(2)会社に男女の賃金格差是正をただすこと(3)職場のセクハラを報告するよう努めること――などを奨励している。

     国家統計局が男女の賃金格差が生まれる原因を調べたところ、職業職種が違うことや、産休・子育てで労働市場から離れることなどを主な理由とする一方、「いずれの理由も該当しない」が回答の36%を占め、女性差別が依然として職場に根深くあることを示している。(労働ジャーナリスト 丘野進)