金属労協(JCM)は12月8日、都内で協議委員会を開き、定期昇給など賃金構造維持分を確保したうえで、前年同様に3千円以上の賃上げに取り組むとする闘争方針を確認した。政府が生産性向上を声高に叫ぶ中、生産性3原則((1)雇用の維持拡大(2)労使の協力と協議(3)成果の公正な配分)にあらためて光を当て、「人への投資」を訴える構えだ。
高倉明議長は「生産性の向上は成長の源泉ではあるが、適正な成果配分がなければ真の経済成長にはつながらない。単なる効率化ではなく、人間の尊重、経済、企業の発展には経営と労働の協力が必要で、そのことが労働者の経済的、社会的地位向上につながり、企業の近代化と競争力向上に寄与してきた。今後も自信と誇りをもって生産性運動を展開する必要がある」と述べ、成果配分を求める春闘の意義を語った。
方針は3千円以上を要求基準とするほか、底上げ・格差是正を進めるため、賃金の水準を意識した取り組みを重視する。正社員転換の促進を掲げたほか、非正規労働者の賃金制度整備などを定めた第3次賃金・労働政策を踏まえ、非正規の賃上げを呼び掛けている。系列などバリューチェーンの中小企業が生み出した付加価値を適正に評価する運動は、3年目となる来春も継続する。
討論では自動車総連やJAMが、あるべき賃金水準を意識した取り組みを行うと発言。公正取引など付加価値を適正に循環させる社会運動では「社会の価値観を変えなければならない」(電機連合)などの意見が出された。基幹労連は「総合(大手)組合が中心となって関連グループ組合を支援する」と述べるなど、賃上げの裾野を広げることへの決意が語られた。
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