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    8時間働けば暮らせる社会に/日本労働弁護団が集会

     日本労働弁護団は12月7日、「8時間働けば誰でも暮らせる社会に!」と題した集会を都内で開いた。高度プロフェッショナル制(残業代ゼロ法案)や裁量労働制の適用拡大を含む「働き方改革」への反対をアピール。外国人技能実習生の実態なども紹介した。主催者発表で1500人が参加した。

     弁護団の徳住堅治会長は「長時間労働がまん延し、過労死や過労自死が多発している現状は緩慢な殺人労働。今の働き方を労働基準法の原則に戻していく必要がある」と述べた。

     法政大学の上西充子教授は、長時間労働規制を目的に始まったはずの「働き方改革」に、労働者を働かせ放題にする高プロ制が盛り込まれている点を指摘し、「黙っていれば抱き合わせ戦略で危険な内容を入れてくる」と批判。その上で「1日8時間働けば暮らせる社会という、私たちの側からの働き方改革を持ち込んでいこう」と話した。

     過労死家族の会代表世話人の寺西笑子さんも「劣悪な職場が、見過ごされていることが一番問題だ」と述べ、長時間労働の是正を訴えた。

     交通の安全と労働を考える市民会議の川上資人弁護士はライドシェア事業のウーバー社を批判。「労働組合さえ作れないウーバー社の実態が日本に伝わっていない。雇用破壊の危険があると広めていこう」と呼び掛けた。