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    〈老後に備える〉介護保険の基本(3)/入居可能な介護施設

     要介護状態になったとき、選択肢の一つになるのが介護施設への入所。介護保険に「施設サービス」として位置づけられており、特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、介護療養型医療施設※の三つがあります。

     特養は、自立した生活が困難な人(要介護度3以上)に介護サービスを提供する施設で、長期入所が可能。入所する人の「ついのすみか」になることも想定されています。運営は、社会福祉法人や地方自治体など。入居一時金はなく、月々の費用は安価です。

     これに対して老健は、医療機関と自宅(他の高齢者施設などを含む)の中間に位置づけられているもの。自宅生活への復帰を目指した医療ケアやリハビリが充実しています。待機人数が多い特養に比べると入りやすく、利用料金も特養と同程度。ただし、中間施設なので入所期間は3~6カ月程度に限定されています。

     一方、有料老人ホームの多くは、要介護や要支援でなくても入居可能ですが、高額な入居一時金(数百万~一千万円以上の場合も)が必要な施設も。毎月の利用料も10万円台~30万円台と高めです。

    ※介護療養型医療施設は手厚い医療ケアが特徴で、主に医療機関が運営していますが、厚労省は早期廃止の方針を打ち出しています。