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    「経営側に前向き判断求める」/情報労連中央委/18春闘で野田委員長が訴え

     NTTやKDDI、その関連や一般の労組などでつくる情報労連が1月31日、都内で中央委員会を開き、春闘方針を決めた。賃上げ要求は、連合と同じ「ベア2%程度(定昇込み4%)」。野田三七生委員長は、経団連が3%賃上げに言及していることを紹介し「社会的要請が強まる中での春闘となる。経営側に前向きな判断を求めていこう」と呼び掛けた。

     

    ●上限規制案は不十分

     

     春闘方針を提案した柴田謙司書記長は、底上げ・底支え・格差是正の取り組みを強調。「働き方改革」の課題では、高度プロフェッショナル制度の導入と裁量労働制の適用拡大に反対するとともに、残業の上限設定についても問題があるとしてこう述べた。

     「上限時間は過労死認定ライン(月80、100時間)と同様の数値であり、労働者の命と健康を守るには十分とは言い難い」

     その上で、各組合にはこの上限基準を「最低限のもの」とした対応を求めた。

     今年4月以降に本格始動する有期雇用労働者の無期転換に関しては、それを避けるための安易な雇い止めやクーリングを阻止するよう求め、有期雇用労働者を仲間に迎え入れて交渉力強化を図ろうと訴えた。

     討論では、KDDI労組が働き方改革について「労働時間短縮(残業削減)によって減少する収入の回復が必要だ。時短で効率的な働き方を実現した分の確保を含め、昨年以上のベア獲得を目指す」と発言した。

     NTT労組は、来年の参院選で同労組出身の吉川沙織議員(民進党)の再選に向けた取り組み強化と支援を呼び掛けた。

     

    ●民進系分裂悩ましい/情報労連の野田委員長

     

     情報労連の野田三七生委員長は1月31日の中央委員会あいさつで政治問題に触れ「(昨年の総選挙を経て)組織内・重点候補が3党に分かれてしまい、悩ましい状態だ」と指摘。情報労連としての政治方針確立には、もう少し時間がかかる見通しだと語った。

     組織内・重点候補として当選した議員は現在、立憲民主党、希望の党、民進党に分かれている。

     来年には参院選と統一地方選があるため「支持政党をどうするかは喫緊の課題」としつつも、「3党の動向や綱領・政策、連合の対応を見定めた上での判断となる。しかるべき時期に政治方針を提起することにご理解を」と述べた。