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    老後に備える 最終回/葬式への備えは生前から

     本人が生きているうちから葬式やお墓のことを話題にするのは不謹慎――というのは昔の話。残された家族の生活を考える上でも、経済状況に見合った葬儀にしていくための工夫を、生前からしておくことが不可欠な時代です。

     父親が病院で亡くなったAさん。「ご遺体の搬送は早めに。業者に心当たりがなければ葬儀社を紹介します」と病院からせかされ、搬送から葬儀までを紹介された葬儀社に任せることに。ところが「なるべく質素に」という希望にもかかわらず、請求額は150万円近く。予想の倍近い請求に頭を抱えてしまいました。

     喪主になる経験は人生で何度もあるものではありません。しかも親や配偶者を亡くし、気が動転している最中です。そんな弱みにつけ込むのか、葬儀会社の中には必ずしも明朗会計ではないところも。「総額〇〇万円」とうたっているのに勝手にオプションを加え、追加費用を請求する悪質な業者もいます。

      こうしたトラブルを避けるためにも、「わが家の葬儀はこうしていこう」と事前に話し合っておくことが大切。無宗教スタイルにしたり、香典などの儀礼を省いたり、通夜を行わず一日葬にしたりなど、最近はさまざまな葬儀の形を選ぶ人が増えています。予算に見合った業者を探しておき、葬儀内容や段取りについても打ち合わせをしておくと安心です。