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    共闘で金属労協超え/UAゼンセン

     繊維、化学、流通、サービス、食品の労組でつくるUAゼンセンは昨年から、金属労協の集中回答日に合わせて会見を行い、独自の相場形成を進めている。14日、前年を超える賃上げが相次いでいると、木暮弘書記長は手応えを語った。

     この日は化学繊維素材の組合で1500円超~2千円を超えるベアで妥結が承認された。昨年を約500円~千円近く上回る。木暮書記長は「電機が前年プラス500円と報じられ、500円ではだめだと内部で確認した。以前は金属労協を超えられなかったが、(同じ業態の)共闘が奏功した。今後底上げ、格差是正を進めるうえで弾みになる」と健闘をたたえた。

     

    ●中小の健闘際立つ

     

     翌15日にまとめた妥結状況によると、正社員は124組合の平均が7417円(2・5%)。前年同一組合比較で852円上回る。特徴的なのは300人未満が8408円(2・86%)と300人以上を上回ることだ。ベア分を峻別できる74組合のベア平均は2308円(0・78%)で、同836円のプラスだ。

     高卒初任給でも35組合で平均5166円引き上げ、大卒初任給では41組合3283円の引き上げに。18歳最低賃金は30組合で平均2747円引き上げた。

     パート労働者の時給引き上げでは74組合の平均で26・6円(2・75%)。前年同一組合比較で4円のプラスとなっている。

     働き方の改善も多彩に取り組まれている。勤務間インターバル規制の導入で7組合が合意したほか、失効年休の40日までの積み立て拡充や、営業時間短縮、定年延長、一人親支援などの労使合意が報告されている。焦点の無期転換制度については、パートが200組合、契約社員が100組合で労使確認している。